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ニクセン

昔アルバイトしていた居酒屋は、
東京赤坂に本店のある「ええ店」で、
社長の弟が専務だったのですが、
この専務は全く仕事をしない男で、
社内で「なにも専務」と
陰口を叩かれていたのですが、
ある日、常連さんに挨拶するとき、
自分から「どうも、私がなにも専務です」
と言っていたのには驚きました。

人間、あそこまで
強くなれるものなのですね。

ひと昔前は「なにもしない」ことは、
罪のようにいわれましたが、
いまは「何もしない」
あるいは「目的なしに何かをする」ことが、
ストレス解消法として注目されています。
オランダ語で「ニクセン」というそうです。

『週末は、ニクセン』の
著者の山本直子さんによると、
窓の外をぼ~っと眺めてみたり、
ソファに寝そべって音楽を聴いたり、
近所をぶらぶら散歩したり・・
時には編み物や皿洗いをして
心を空っぽにすることを指すそうです。

現代人は仕事に多忙を極め、
いつも「TO DOリスト」に
追いかけられる毎日で、
燃え尽き症候群に陥る人が増加しています。
そこで対症療法に「ニクセン」を
取り入れると、
呼吸や心拍数が落ち着いて、
リラックス効果や幸福感が
高まるんだそうです。

なにも専務は、
ひょっとすると時代をかなり先取りして、
ニクセンしていたのかもしれませんが、
仕事にニクセンを取り入れたところが、
新しすぎたようです。

#note日記
#コラム #エッセイ
#ニクセン

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