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京都の旅
古い京都本を読むのが好きなんです。
いまとのギャップが面白いのです。
これは昭和59年に発売されました。
「渡月橋の下流の河原には
砂利でかこんだ水泳場が
いくつか開放される。
派手なビーチパラソルや
ビキニスタイルの若い女性も
たくさん見られる。」
松本清張と樋口清之さんという方の書いた
『京都の旅』第2集にこんなことが
書いてありました。
松本清張は知ってるけど、
樋口清之さんのことは知らないので、
さん付けしてしまいます。
松本清張もこっちが勝手に知ってるだけで
明らかにあっちのが年上なんですけど、
それでも呼び捨てでいいと思ってしまう。
逆に松本清張さんとか書くのは
変になれなれしい気がする。
不思議なものだ。
渡月橋の下流の水泳場がなくなったのは
いつくらいのことなんでしょう。
いまもあったら外国人観光客にも
人気だったんじゃないかしら。
本は 面白かったのですが、
発売年を知らずに読んでいたうえ、
松本清張のことを
私は もっと昔の、
昭和初期くらいの人やと思っていたので
これは いったい、
いつの話なのかと頭が混乱しました。
昔の作家ってなんとなく全員、
昭和初期までの人と思いがち。
安部公房とか三島由紀夫とか、
昔は全員、割と芥川龍之介と同期くらいに
思ってました。
その計算でいくと、
大江健三郎がどえらい長生きを
していることになるぞ、なんて思っていた
大江健三郎も昨年だったかに
お亡くなりになってしまいました。
自分も死んでからも
何かしら語り継がれる人物に
なりたいものです。
昔オープンしたお店の1人目の客になるのが
趣味の人がいてね。ってね。
安部公房とか松本清張とかと肩を並べて
語られたりして。
樋口清之さんのことを調べてみたら、
有名な考古学者でした。
しかし、やっぱり呼び捨てにはできない。
松本清張は呼び捨てにしかできないのに。
不思議なものだ。
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