短編小説『放禁問答』
え、「このミス」受賞作やのになんで紹介できないんですか。放送禁止用語?いや、だって本のタイトルですよ。ラジオで紹介したらあかんっておかしくないですか。めちゃくちゃ面白かったから紹介したいし、紹介するつもりできたから他に話すネタ用意してないですよ。言い換え?タイトルを換えてしまうってことですか?そんなことしたら作者に失礼でしょ?ていうか、リスナーの方にも伝わらないんじゃないですか?ていうか、その放送禁止用語って誰がどうやって決めてるんですか?自粛してるだけと違うんですか?だいたい、こっちが差別意識持って言うてないんやからいいでしょ。責任を取れるのか?いやいや、それ、喋り手が責任取らされるんですか?普段から原稿の一つも碌に作らないくせに、責任問題とかになったら真っ先に逃げるんですか?この際やから言わせてもらいますけど、あなた、この番組のディレクターや言うて、なんの仕事してるんですか?選曲はほぼリクエストやし、埋まってるのパワープレイの曲だけやし、わたしが喋る内容なんてわたしに振りっぱなしやし、仕込みなんてなんにもしてないですよね?それで制作費ゆうてなんぼほどもらってるんですか?わたしなんて、毎日毎日、フリートークのネタ探しするのに街中歩き回ってライブ観に行って観劇して読書して映画観て、それにかかる費用は全部実費でもちろんそこへ行く交通費も自分持ちでやってるのに生放送2時間の時給でギャラ設定されてるから経費諸々差し引いたらなんぼになるねん!っていうのをあなたに言うても仕方ないんですけど、なんにも仕事しないくせに責任を取ることからも逃げるとか、ほんまに卑怯なおっさんやなーと思ってついつい声を荒らげてしまいました、はい、すみませんでした。じゃあ、もう「このミス」受賞作ですけど紹介するのはやめときます。え?何喋るんですかって?あほか、今の話、まとめてリスナーの皆さんに聴いてもらうわ。