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雨がぴりぴり降る

大学生の頃からの友人で、
南丹市園部出身の亜背庵(仮名)という男が、
学生時代に「雨がピリピリ降る」
という言い方を
していたことがあり、
雨はそんな降り方はしないよ、
と言っていたのだが、
10月16日の「神戸新聞」に、
その用法が紹介されていて驚いた。

『広辞苑』でも調べてみると、
「ぴりぴり」
1:笛などを吹き鳴らす音
2:皮膚や粘膜に、
はじかれるような痛みや辛みを感じるさま
「唐辛子で舌がぴりぴりする」
3:筋肉が小刻みに震えるさま
「顔の筋肉がぴりぴりとふるえる」
4:気持ちや雰囲気が異常に緊張して、
反応しやすくなっているさま
「受験でぴりぴりしている」
5:紙などを勢いよく引き裂く音。そのさま。
「原稿をぴりぴりと引き裂く」
6: (丹波地方で)雨の少し降るさま。
「雨がぴりぴりしてきた」

この「雨がぴりぴり」という表現、
丹波地方ではよく使うのに
故郷を離れると通じず、
「雨が辛いの?」と
聞かれたりすることも多いそうだ。
『雨のことば辞典』という書籍にも、
この用法が紹介されていて、
こちらによると、
京都の亀岡や神戸で使われ、
「ちょっぴり」の「ぴり」が
由来らしいということらしい。

ちなみに
「ぴりぴり」はポルトガル語で
「赤唐辛子」のこと。
辛いほうの「ぴりぴり」は
こちらが語源だろう。
同じ「ぴりぴり」でも
由来が違うというのも興味深い。

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