創作怪談 金曜日のスムージー

今日は金曜日。
つまり明日からは2連休なの。
こんな日はとっておきの飲み物を飲みたいな。
バナナジュース?エスプレッソ?フラペチーノ?
ううん、そうじゃない。
とっておきというからにはもっとスペシャルじゃないと!
うん、決めた!
今日はスムージーを飲もう!
今まで一度も飲んだことが無いけど作り方は簡単なはず。
そうミキサーがあれば大丈夫なんだから。
今日の気分は・・・・やっぱり赤だよね。
だったらとっておきのスペシャルな赤いスムージーを作らなきゃね。
用意するのは・・・トマトと赤パプリカとイチゴ・・・こんなもんかな?
ゴーゴゴゴゴー
うん、いい感じ・・・いや、違うよ。
私が欲しいのはもっとスペシャルな赤色。
えっと冷蔵庫にあるのは・・・。
さくらんぼ、すもも、スイカ、ラズベリー、グランベリー、ザクロ、こんなもんかな?
ゴーゴゴゴゴー
う~ん、なんかもっと赤くできないものかなぁ・・・。
もう一回、冷蔵庫を探して・・・と。
ラディッシュ、赤かぶ、赤玉ねぎ、赤しそ、赤キャベツ、金時にんじん、赤オクラ、赤チコリ、ルバーブ、ノーザンルビー・・・こんなもんかな?
ゴーゴゴゴゴー
違う、絶対に違う・・・私が求めてるのはこんな赤色じゃない!
でも、どうすればいいの?
もっと濃くてスペシャルな赤色にしたいのに・・・。
 
あっ、そうだ・・・材料ならすぐ近くにあるじゃん!
 
キレイに手を洗って・・・と。
ゴーゴゴゴゴー
うん!この色!まさに私の気分にピッタリ!
それにドロリとした見た目も最高に美味しそう!
でも、どうせならもっと沢山作りたいな!
 
えっと・・・包丁を持ってきて・・・。
少し痛いけど美味しい物を飲むならこれくらい我慢しなくちゃ!
 
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
 
うん、結構な量になった!
よしよし!
でも、もっともっとこのスペシャルな赤で満たされたいな~
まだ右手と顔はちゃんと残してあるし・・・。
 
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
ゴーゴゴゴゴー
 
もう何もわからなくなっちゃ・・・・といか・・とな・し・・・。
 
7日後・・・・。
あれからも私はスムージーを作り続けてるの~
どす黒くて濃いスムージーだよ。
材料はひとつだけ!
血と肉があれば。
そしてミキサーがあればいつでもどこでも誰を使っても簡単にスムージーが作れるんだから~
上手く作るコツはミキサーに入るくらいの大きさに切り刻む事。
骨もそのまま入れた方が口当たりが良いのよ?
その為に大きな包丁も用意したの・・・。
労力を惜しんじゃ美味しいものは作れないのよ・・・。
その為にも大変だけど私は頑張ってるの・・・。
それにね・・・捕まる事なんかないの・・・もう死んじゃってるから・・・。
 
だから待っててね・・・今夜はあなたのおうちに行くわ~
痛くしないからそのまま眠ってて・・・。
だってあなたも大好きでしょ?
スペシャルな赤色のスムージー・・・。
ゲラゲラゲラゲラ・・・。

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