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パラドックス【怪談・怖い話】

これは、ある地方に住む男性が語った不思議な話だ。

彼が子供の頃、地元で「パラドックス」という名のファミコンゲームが流行っていたという。だが、このゲームには一つの奇妙な噂がついて回っていた。それは、ゲームをプレイしている間は何も起こらないが、電源を切ると途端に怪異が起こるというものだ。

東京に移り住んでから、彼は驚くべきことに、誰もこのゲームを知らないことに気づいた。ネットで検索しても、「パラドックス」というゲームの情報は一切出てこない。次第にその存在に疑問を抱き始め、友人たちに尋ねても、誰もそのゲームを知らなかった。

彼の好奇心は次第に抑えがたくなり、ついには興信所に頼んで調査を依頼するまでに至った。その結果、「パラドックス」は90年代、地元のゲーセンを拠点に活動していたオタクグループが自主制作したゲームであることが判明した。ゲームは一時的に小学生の間で大きな人気を博したが、子供たちが夜尿症になるという問題が発生し、やがて販売中止となったという。

それから数年後、彼はついにその「パラドックス」を手に入れることに成功した。入手経路はオタクの友人を通じてのことだったが、その価格は驚くほど高額だった。50万円もかかったと言う。

しかし、どうしても手に入れたかったのだ。ゲームをプレイしてみると、内容は学校の七不思議や都市伝説を解決していくというホラーRPGで、主人公は妖怪の少女。ゲームの進行はテンポ良く、当時としては異例のサクサク感があった。そして何よりも驚いたのは、「八尺様」に似た怪異が登場することだった。

これに興味を持った彼は再び友人に調査を依頼したが、昭和期の怪談にはすでに似たような話が存在していたため、ゲームに登場しても不思議ではないという結論に達した。

しかし、問題はゲームをプレイした後に始まった。彼は次第に、常に7人の人間に監視されているような感覚に襲われるようになった。初めは単なる気のせいだと思っていたが、やがてその7人が彼の夢の中にも現れるようになった。

夢の中で彼は「パラドックス」をプレイしているが、隣の部屋では7人組が談笑している。その談笑から、彼らがこのゲームを制作したオタクグループであることがわかってきた。だが、不思議なことに、その夢はある日を境にぴたりと止んでしまったのだ。

その頃、彼はコミケで7人組の男女と出会い、奇妙な縁で友達となった。ふと気づいた時、夢に出てきた7人組と彼らが重なって見えたが、深く考えるのはやめた。それ以来、彼の運は一気に好転し、毎日が充実するようになった。そして、彼がその7人組に加わったことで、彼らは再び7人となり、より一層仲良くなったのだという。

最近は彼らと共に心霊スポット巡りやハイキングに出かけることが増えたそうだが、彼の話にはどこか狂気が漂っていた。「俺たち7人なら、もう誰にも負ける気がしないんです」と彼は笑いながら語っていたが、その笑みの裏に、何か得体の知れないものが潜んでいるように感じられてならなかった。

[出典:36 :本当にあった怖い名無し:2022/08/20(土) 21:17:01.70 ID:DTfeAkYQm ]

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