着物を着たおばあさん【怪談・怖い話】
これは、友人から聞いた話だ。
彼女が高校生だった頃、田舎のバイト先から家に帰るための唯一の道は、墓地を通るルートだった。バイトが終わるのは夜10時を過ぎ、家に帰り着くのはいつも深夜の11時を回っていた。
その頃、彼女は音楽を大音量で聴きながら墓地を横切るのが習慣だった。夜の静寂を破る足音と共に、砂利道を歩いていると、音楽が切り替わる瞬間に、自分の足音とずれたもう一つの足音が聞こえた。
恐怖に駆られた彼女は、近くの駐車場に停まっている車の前に立ち止まり、鍵を探すふりをして足音の主に先を行かせようとした。
後ろを振り向く勇気もなく、ただ音楽を止めて耳を澄ますが、一向に足音は近づいてこない。気のせいだと思い直し、振り向いたその瞬間、彼女のすぐ背後には男の人の顔があった。
その男の顔は、彼女が少し動けば触れられるほどの距離にあり、恐怖で声も出ず、ただその場に立ち尽くすしかなかった。
時が止まったような長い一瞬が過ぎた後、再び足音が聞こえ、男は来た道を戻るように去って行った。彼女は助かったと思い、足音の方を振り向くと、深夜0時頃なのに着物を着たおばあさんが男を追うように歩いていった。
その後、彼女は墓地に一人取り残され、恐怖に駆られて家まで走って帰った。しかし、家に着いて親に話しても取り合ってもらえず、友人たちからも「おばあさんがお化けで、見えたから男性が逃げたのかもしれない」と冗談半分に言われるだけだった。
彼女はそれが真実とは思えず、最近ではその男の顔が夢に出てくるようになり、眠れない日々が続いている。
この話を聞いて、皆さんはこの男とおばあさん、どちらが人間でどちらが幽霊だと思いますか?
[出典:862 :本当にあった怖い名無し:2021/11/02(火) 18:26:07.35]
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