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日曜日の昼下がり、目の前には豚ステーキ。

日曜日の昼下がり。
午前中に用事があり、家に帰る途中だった。
たまたま通りかかった道でそのお店を見つけてしまった。

『豚ステーキ十一 』

近所に豚ステーキが美味しい店がある、という噂を前々から耳にしていた。ずっと行きたかったが、場所がイマイチ分からず、行けてなかった。
これは間違いなく運命だ。そう思った。
美味しいという噂が本当かどうか確かめてやろうじゃねーか!という気持ちで、暖簾をくぐり、店に入った。

お店のなかは、10席ほどのカウンター席と5組ほど座れるテーブル席があった。清潔感があって上品でデートでも使えそうな雰囲気が良いお店だった。

ただ、その時間帯はお客さんが僕以外に一人しかいなかった。日曜のお昼時なのに、やけにお客さんが少ないなと思った。
まさか僕みたいな若造が気軽に来ていいような店ではなかったのか?と不安がよぎった。こわばった表情をした僕はカウンター席に案内された。

慣れないカウンター席に座った僕はメニューを見た。メニュー表には、「豚ステーキ」というメニューしかなかった。
そう、このお店は豚ステーキ一本勝負の店なのである。

豚ステーキは、ごはん、みそ汁、サラダ、ポテトサラダ付きで、値段はなんと1000円である。リーズナブルかつ良心的な価格設定で僕みたいな若造でも気軽に来れるお店で安心した。

カウンターの目の前で店主っぽい人が調理をしている。手際よくお肉を切ったり、ジュージューと良い音を立ててお肉を焼いている。
もう一人のアシスタントっぽい女性の店員さんは、お肉を乗せる鉄板を準備したり、ご飯やみそ汁をおぼんにスタンバイさせている。二人の息がぴったりで、連携が取れているなと感心するとともに、豚ステーキへの期待度が高まっていった。

カウンターに座ってから10分もたたないうちに女性の店員さんが料理を運んできた。落ち着いた雰囲気の店内に鳴り響くジュ~ジュ~音。
この豚ステーキ一本で天下を取ります!と言わんばかりの堂々として凛とした佇まい。黒い鉄板のうえで、白い煙をまとった豚ステーキを見て、僕は少し圧倒されてしまった。

目の前には、豚ステーキ。
ビジュアルが最高すぎる。

僕は高ぶる気持ちを抑えながら、スマホを取り出し、2枚パシャリと雑に写真をとり、スマホを投げ捨てた。
ここのお店は、しょうが醤油、わさびおろし、にんにく赤みその3種類の食べ方がある。まずは、スタンダードのしょうが醤油につけて、一口食べた。

うまっ。

つい口に出して言ってしまった。
あまりにも美味しすぎる。
美味しいもの食べることができた喜びと感動が、心の中から漏れ出して、うまっ、の一言を生んでしまった。

お肉が一口サイズで柔らかくて食べやすい。下味がしっかりついていて、そのまま食べても美味しい。一口サイズなので、一切れずつ味を変えることができるので、毎回違った楽しみ方ができる。
わさびおろしは、鼻が全然ツーンとならずさっぱり食べられる。にんにく赤みそはお肉との相性抜群で、ご飯が進みに進みまくった。

ふらっと立ち寄ったお店でこんなにも美味しいものを食べられることができるなんて思ってもいなかった。その突然訪れた幸せを噛み締めながら、目の前の豚ステーキと一対一で向き合い、最後の一切れまで楽しむことができた。


この豚ステーキのおかげで、良い休日を過ごすことができた。必ずまたここで最高の昼下がりを迎えたい。


最高の豚ステーキが食べれるお店はこちらです!


●豚ステーキ十一 住吉店












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