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三昧の珈琲
甲賀流最後の忍者、川上仁一先生に学んだ中で、印象に残ったことで「単味はキツいでっせ、二味、三味、合わせる中で中和されたり、効果を引き出されたりするもんなんやで。」という言葉がある。
これは私が真田忍びの棟梁、祢津潜龍斎の末裔の根津様より、ある薬草を頂いて、その思わぬ効果の激しさに当惑した時、先生から賜った助言なのだが、心身の体験を通じて深く味わったこの時以来、一味、ふた味、と言うことについて考えるようになった。
其れまでは、なんとなく「ふた味=一味+一味」位にしか考えて居なかった自分の浅さを思い知った。
相生相克、と言う言葉も、気の持ちようでは
「こちらは生かし、こちらは殺す」とも取れるし「活かしあいて和に至り、克しあいて和に至り」とも捉えられる。
無論科学の世界では、一味+一味はふた味でしかないのだが。そこに+αが関わると、様相は全く違ってくる。
例えばこの「忍者ブレンド☕」
配合の妙は、おそらく「個性豊かに、美味しくなあれ✨」という願いから来ているのだろう。
それは作者と、珈琲を楽しむ客との「和」を期して配合されたものなんだと思う。
この時点で、豆の良さやドリップという単味にもうひと味、そしてその「名目」。ここが味わいに方向性を付与する。これで三味の珈琲の出来上がり。
単なる配合され抽出された出汁から、其れ以上の「魔法の飲み物」となる。
こういう無形の関わりが、昔は見えなかったし、それがどれだけ味わいに寄与するのか。。。つくづく人生とは「味な」ものなんだな、と。
それが生まれる、生まれない、微妙な違いは、本願、誓願、志、とも言えるし、またノリ、気は心、腰が入るか否か、ということもあろうが、論ずるだけ野暮だし、この述壊の本意ではないので、香ばしい焙煎の煙に撒いて、ここいらでドロン☁️✨
●珈琲茶房と庵
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