大元流胎術 修行所感
(この大元流胎術は、橘家の神道軍伝として行われる一種の鎮心行であり、一般の武術とは概念を異にするもので、多分に神道の要素が含まれています。)
さ、し、す、せ、そ
サ行はくしびなるいのちの響き。
さーっと雲が切れ
しーんと世界が静かになり
す〜っとひかりが差して
せ〜っと気持ちが良くなり
そ〜っと静けさに浸る
サは酒のサ
桜のサ
笹のサ
早苗のサ
サからはじまる世界だ、サァ始めよう
私たちの身の真中に、そんな命が射照り通らば
そこから遍く働きが産まれるだろう
魂振と魂鎮は表裏一体にして
息吹を以て大元の胎を育みそだてよう
それより私たちが立ち上がるなら
まさに無為の人、無位の真人と言えるのではないか
尊敬する羽黒の御先達が仰る「まにまに」の人なのではないか
極て汚きも滞りなければ穢きはあらじ(きわめてきたなきも たまりなければきたなきはあらじ)
内外の玉垣清浄と申す(うちとのたまがき きよくきよしともうす)
諸々の罪穢れ 祓いみそぎて 清々し
大元の胎術は無為の位を以て
無形の技を施すべし
この道は
神ながら
御霊幸はふいにしへの
たかまの胎(はら)へ還る道哉