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羽黒山参詣記

初夏の頃、日頃よりお世話になっている松浦さんの「ひのはる庵」で御目通り叶った、出羽三山山伏の星野大先達にご挨拶に上がりました。

先達は喜寿になられた今も毎日お忙しく、日本全国を飛び回る御姿はまるで役行者様のよう😳

ピンポイントのような一日を狙い、ご尊顔を拝しご挨拶だけ……と、軽い気持ちで伺ってしまいましたが、山形の遠さよ💦

朝三時半に出立し、ひたすら日本海を目指しますが、最近は日が遅く上越市でやっと朝日が上ってきました。

それにしても越の国の長さ………そして冬の日本海の荒々しさ(波華が飛んでまいりました✨)、庄内平野の広さは凄かった……。

七時間掛けて羽黒山に着き、巨大な鳥居と山域の広さに驚く。駐車場で大聖房を検索……と、眼の前が神社の山門なので、きっとここから直ぐに里宮があるのだろう……と高をくくり、先ずは大神様にご挨拶をしてからかな……と石畳を進みますが、あとから考えてもこれは拙かった💦

行けども行けども山が深くなるばかり。これでは大幅に遅刻してしまう、とマップを見ればなんとお社は御山の上なのでした😨
いそいで踵を返すと汗まみれでご先達の下に参り、遅参をお詫びしました。

半年ぶりのお先達様は、変わらぬ温容で迎え入れ下さり、確りと私の順番の間違いをお諭しくださいました。曰く「先達は山と人とを結ぶ役目なのだから、修業者は先ずそこを通じて来なくては」………観光客気分の自分だったことに気付かされ反省しきり。節を糺して頂きましたことに感謝申し上げます。

歓談の後、お先達と鳥海山の山伏修業を復興されている、すとうえみ様がた御一行と一緒に参道の食堂にてラーメンを頂いたのですが、これがまた魚の出汁でほんと美味しゅうございました🍜✨

お先達様の車に乗り、先程は辿り着けなかったお宮に。こんどはスーッと🚗
そのころにはグズグズしていた空も晴れ、キラキラと水滴が光り美しい晩秋の風景になりました。

びっくりするような巨大な藁葺のお社に上げていただき、忝なくも昇殿参拝、さらには開山蜂子の皇子社にてもお先達様と拝詞、心経を上げさせて頂きました。

物凄く短い時間の中でしたが、お先達様の図らいのまにまに、濃厚な体験をさせて頂けました。こんな小生をもお忘れなく、出羽の大神様の下に参った者として大切にしてくださる御姿には、まったく「私」と言うものが感じられず、ああ、「まにまに」とはこの様なあり様かと腑に落ちました。

子供の頃についた法印が申していた「真田の密(忍)にとって三山(出羽)はとどめの御山だから、修業の最後に参上するべし。この時代は縁なくば参ること叶わじ」との言葉に導かれて、やっとここまで参りました。
私はまだまだまだまだ未熟者ですので、これはたぶん「それなりの年齢になったら」と言うことと「大神様の御意のまにまににお任せ」と言うことでしょう。

そのことを鑑みるに、お先達様との出会いは不思議な図らいを感じざるを得ません。仰る通り「縁起」なのでしょう。

この縁起を、良きものにするのか否かは、これからの私のあり様次第。お先達様の後姿を拝して、硬くならず、まにまにを愉しめる自分で居たいと思いました。

お先達様、これからもご教導の程宜しくお願い申し上げます。

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