DailyINPUT|DtoC After2020 日本ブランドの未来
高橋広野です.本日はこちら.
本書を読むにあたって
「DtoC(Direct to Consumer)」.顧客と直接つながり,より深い関係性を構築する,新しいブランドのあり方が定着しつつある.ウェブから商品を送る、単なる中抜きビジネスではない.
DtoCとは,世界観とストーリーテリングを武器とする,新しい競争優位の構築である.伝統的なブランドのように、機能やモノのよさとだけを売りにしない.
DtoCとは,単なるいちビジネスモデルではない.ブランドと顧客の関係性を不可逆に変えてしまうほどのインパクトを持った「時代の象徴」である.
将来的に,小売の歴史は,「D2C 以前」,「D2C 以降」と分類されて語られることになるだろう.
1.DtoCがもたらしたビジネスの新たな可能性
顧客との直接的,双方向的なコミュニケーションの再構築
コミュニケーションエクスペリエンスすべてが顧客,かつ企業の価値になりえる
デジタリー・ネイティブーデジタルを利用して顧客との関係性を構築
体験も含めた価値提供→ファンの獲得,コミュニティ形成
顧客生涯価値を重視したアプローチ
社会課題を解決する一貫した企業姿勢(意義・価値観の共有)
2.なぜ,顧客とブランドは本質的につながる必要があるのか
ブランディングとは、「企業が生き残っていくための方策のひとつであり、商売そのもの」です。〜ブランデイングとは、「顧客との信頼性を築く活動」とも言えるでしょう。
ブランドの軸は,「自分たち」で担う.外注の「クリエイティブディレクター」「ブランドマネージャー」ではなく,企業そのもの(ブランドの中にいる人たち)で担う.
ブランドに必要なのは「構想力」と「実装力」
ビジョン:このブランドが実現したいことはなにか?
ミッション:ビジョンを成し遂げるために達成することは何か?
リーズン:ビジョンを掲げる理由は?
セグメンテーション:市場の人々をグルーピングする
ターゲティング:どのような傾向のグループの人とコミュニケーションを取るかを定める
ポジショニング:自社ブランドが市場においてポジションを築く領域を定める
機能的価値:所有・利用・体験により,どのような利便性があるか
情緒的価値:所有・利用・体験により,どのようなポジティブな感情をもたらすか
自己実現価値:所有・利用・体験により,顧客はどんな人物になれる(と想像する)か
社会的価値:このブランドの存在は社会にとってどのような価値があるか
独自性:市場または顧客にとってオンリーワンなポイント
差別化要素:独自性とまではいかないが,競合ブランドと比べて優位なポイント
愛着要素:顧客がこのブランドに愛着を感じるポイント
シンボリック・エクスペリエンス
ブランドが顧客に提供する,ブランドらしくかつ記憶に残る体験
タグライン/スローガン:ブランドの価値を短く言い表した、対外的な言葉
ビジュアルイメージ:ブランドの世界観が表されているイメージ
シグネチャーストーリー
ブランドを代表するストーリー
3.OMOには,DtoC的ブランディングの「実装」が鍵となる
売り上げだけでなく、顧客との関係を深める施策をとる
ブランディング,エンゲージメント,顧客生涯価値.
オンライン・オフライン方法のコミュニケーションを理解する
4.変わる消費行動の中でブランドが生き残るために
コロナ以後のライフラインとしてのネットの必要性→DtoCへ
隔絶された個と世界を結ぶ,ストーリーへの「共感」
伝え方の力点は「ストーリー」から「ナラティブ」へ
ナラティブ:広い意味での「物語」を指す.「ストーリー」とは異なり,物語の内容や伝え方,語り口の相互関係や構造に注目した用語.→「語り手の位置」や「語りが生み出す時間」などの構造に注目.
人々はブランドが語る物語(ナラティブ)を受け入れ、そのブランド神話(ナラティブ)を語り、共感・支持することで自己を差別化(分節化)し、ブランドの世界観の住人となってコミュニティを形成(構造化)していく
5.DtoC After 2020
DtoCは2020年以前のブランドビジネスのおける、新たな可能性の原石だった
ブランド体験はエンターテイメントへ
「シンボリックエクスペリエンス」を構築する「顧客の感情設計図」
ブランドならではの「シンボリックエクスペリエンス」を思考する力が必要