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DailyINPUT|集落の教え100

高橋広野です.本日はこちら.

本書を読むにあたって

「いつか集落をつくりたい」という漠然としたよくわからない目標がある.

都市とはまた違った,「集落」という小さなコミュニティ単位だからこそ実現できることも,もしかしたらあるのではないかという気がしている.

そんな興味から,今年度は「集落調査」をはじめようとしている.
まずは,目標に適した「集落」を探すところからはじめていきたい.

001.あらゆる部分

集落の教えるところの「部分」とは、さまざまな〈意味のある部分〉であって、〜そうしたさまざまな部分を寄せ集めた集合、「全体」である。

003.場所

集落が教えるところは、場所をニュートラルに規定するのではなく、それに蓄えられた歴史の力、そこに潜在する自然力等の力学的特性として把握せよという指示であって、〜空間を「容器」として捉える(境界としての性格)と同時に、空間を「場」として捉える(運動を促す原因としての性格)ことである。

005.すべてのものにすべてがある

「すべてのものにすべてがある」の考え方は、言い換えると「スケールの捨象」となる。単純化すれば、建築や都市の大きさでは評価できないという意味である.

006.なんでもある住宅

すべての都市、すべての集落は、住宅の延長である。住居の重ね合わせが、都市であり、集落である。

012.不動なるもの

集落の美学は、恒常的な状態の持続にあるのではなく、絶えずゆらぎを発生させている状態なのである。

015.混成形

幾何学的な形態と不定形な形態、一義的に意味づけられた場所と多義的な場所、明るさと暗さ、荘厳された場所と日常的な場所、古いものと新しいもの等々二律背反するものを混在せしめよ。また、グラジュアルな変化を混在たらしめよ。そして、全域をなめらかに秩序づけよ。

020.場面を持つ

『都市は劇場である』といった表現には、多様な意味が込められているが、そのひとつに、都市は“もの”あるというよりむしろ“こと”であって、様々な出来事がそこに展開される場所であるとする見解が込められている。

021.物語

集落は物語である。集落の虚構性が、現実の生活を支える。

028.時のうつり

〜集落内は、毎日の生活の小さな旅の場となる。

048.地形およびその特異点

地形は、建築や集落にとって、最大の潜在力である。地形の願望を満足するように、建築や集落をつくれ。特に、地形の幾何学的な特異点を活用し、意味づけよ。建築は新しい地形である。

063.幾何学

この世には、多様にして高度な幾何学がありうる。

068.風景

集落の風景は、自然の風景であるが、加工された自然の風景であり、その意味で社会化された風景である。

087.壁

壁は、定義である。指し示すことである。あるいは、こんなふうに行ってもよい。壁は自由の限界であると。壁はまた、それゆえに、容器としての空間のシンボルである。壁は、争いの原因であって、争いから逃れる手段でもある。その意味からも、壁は自然を反映している。

088.床

床は、新たなる地形である。それゆえに床は、場としての空間のシンボルである。

095.道

道は、ループをもつ川である。流れである。建築や集落にさまざまな道をつくれ。そして、建築と集落を経路化せよ。

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