DailyINPUT|シェアしたがる心理 SNSの情報環境を読み解く7つの視点
高橋広野です.本日はこちら.
SNS(Social Networking Service)は,もはや生活・仕事に欠かせないツールになっている.
twitter,instagram,facebook,line...などとその種類はますます増え,友人とのコミュニケーション,フォロワーから発信される情報の収集,販促・広告といったマーケティングなどと,その使われ方もますます広がる一方である.
プライベートから仕事まで,ありとあらゆる情報が集約し,いまや混沌を極めている.
最近あまりにも混沌としていたので,SNSダイエット(仮称)をしてみた.
ふと空き時間に眺めることが多いSNSだが,あまりにも多くの不要・雑多な情報が流れるタイムラインになっていた.フォローを目的を持って整理することで,必要最低限の情報を効率よく獲得できるようにしたいと思った.
きっと同じことを思っている人も多いのではないかと思う.(もうすでに実行している人ももちろん多いはず.)そんななかで,現在のSNSを突き動かす「シェアしたがる心理」からSNSの役割を見直し,もう一度、生活・仕事の両面での使い方を改めていきたい.
1.スマホの普及とビジュアルコミュニケーション時代の到来
誰もが写真や動画を撮る時代に
かつては,カメラを持つ人しか撮ることができない「特別な記録」であった写真や動画が,いまや誰でも利用できる「感情や状況を共有するコミュニケーションの道具」であり,「文化」と呼びうるものになった.
「盛り」=ビジュアルの部分と,「祭」=ソーシャルの部分
「プリクラ」から「加工アプリ」へ
絵と言葉が等価に使われていく「絵文一致」
mixiから,twitter,facebook,instagramへ
ラップトップ・デスクトップから,スマホへ
素晴らしい体験を生み出しシェアするのに必要な時間をいかに短縮するかが勝負の鍵を握る
インサイトの逆転「写真映えする思い出をつくる」
見せびらかしの場は都市からSNSへ
2.ビジュアルコミュニケーションを牽引する代表的なスマホアプリ
Instagram=「Instant(即席・その場で)」と「Telegram(電報)」
ハッシュタグが写真についての説明というよりも、投稿者の心の声をあらわしており、そのシェアされたものをどう受け止めてほしいのかメタに指示する機能を発揮している
ハッシュタグパタン
a.オブジェクトレベル(説明)
b.メタレベル(発信者側の思いや意見)
c.クリシュ(独立した常套句や言い回し)
動画フィルター(フェイスフィルター)の発明
3.新しいトレンドとしての「消える」「盛る」「ライブ」
ES-M-L(エス・エム・エル)
a.「Ephemeral/Short(すぐ消える、短い動画)」
b.「Moru(画像や動画の加工)」
c.「Live(SNS上でのライブ配信)」
→生活者のメディア化
消えることの価値
情報洪水かつコンテンツ過多な現代においては、逆説的にコミュニケーションの一回生の時間・機会のリッチネスを求める機運が高まってくる
4.情報との出会いは「ググる」から「#タグル」へ
ニュースを得る場,「情報収集・閲覧」の場としてのSNS
発信者からわかる信頼性
サーチビジネスのゲームチェンジは起こるのか
「タグる」は,「ユーザー主導で情報の発信と整理をしながら,それを検索して相互参照し合うさま」であり,それと同時に「コンテンツをその上位のレイヤーで分類するための手続き」の方図も含意している.
なぜ「タグる」のか?
1.自分に身近な立場のユーザーが発信する情報にダイレクトに触れたい
2.検索エンジン自体の課題が最近では多く感じられ,また語られるようになった(欲しい情報にたどり着かない,検索しても有益なサイトに行き着くことが困難になり始めているという印象)
3.情報収集の適正単位が「ページ」ではなく「ポスト」となっており,ユーザー体験によるポスト単位のネットワークであるSNSの方が都合がいい
5.シェアしたがる心理と情報拡散の構造
誰もが体験単位でシェアする時代では、場所や地理の解像度が上がる
シミュラークル(≒コピー体験の広まり)
「そこで食べるパンケーキというモノ」というより、「SNS映えする流行りのパンケーキを食べているというコト」のシェアだとも言える。...「モノからコトへ」と高度化する消費社会のステージとも密接に関連した深いスコープを持つ減少だ。
6.SNSを活用したケーススタディ
SNS映えするモノ→SNS映えするコト
7.SNSの情報環境のこれまでとこれから
1.ビジュアルサーチの普及
2.VR/ARとの結びつき
3.情報の摂取と表現
4.発信する生活者へ
5.シェアの価値の高まり