均衡財政には民間部門が重要なようです
来年度には基礎的財政収支が黒字化され、このまま順調に税収が拡大すれば、遠からず財政収支そのものの均衡が実現すると思われます。
しかしながら、均衡財政下においては建設国債や短期借入金を除き、公債発行による信用創造と通貨供給がなくなるわけですから、その影響をあらかじめ想定しておく必要もありそうです。
中央銀行は長期的な成長率を1%と見積もっているようですが、均衡財政下においては、現在の税率12-13%を維持するとすれば概ね1,100兆円規模のGDPが必要になると思われ、インフレ率が5%であれば15年程度で達成できそうです。問題は、新たな高付加価値の産業を起こしながら、既存の産業構造を転換しつつ、労働分配率を拡大しながらという手法を取る必要があり、これはかなりの知恵が必要そうです。新産業がGDPの10%を占めると仮定すると毎年3兆円規模の新産業を継続的に生み出し続けるわけですから。ただし、燃料電池への置き換えなど再生可能エネルギーなどインフラ投資があれば、案外なんとかなる気もしますね。