言葉遣いについて

皇族が身罷れた際に使う言葉に「薨去」という言葉があります。昨日報道に接し逝去という表現が使われており、違和感をもったのですが、もしかすると国民の手取りが増えないのと根が繋がっているのではないかと感じたのです。
まず第一に天皇制は国民が選択した制度です。そしてそれは国家に統治権の源泉である国民の自由を差し出させる権力を与える憲法典にそのように明確にしているわけです。また、国民統合の象徴として位置付けているわけですから、国家は主権者たる国民に対して敬意をもって言葉を選択することが、社会契約論に照らして当然ですから、古から伝わる「薨去」という言葉を使用するのは自然ですが、あえて逝去という用語を選択していることは、国家権力の意識の中に国民がいない、或いは価値判断の基準が国民の幸福以外の何かになっているのではないかという疑いを持つに十分ではないかと推定することに不合理はないのではないかと思われるわけです。
そういえば基礎控除の拡大にせよ、むしろ今までなぜそうしてこなかったのか?という疑問を持ちますが、もしかすると国家権力は国民から付託された権力行使の本来の価値判断の礎である社会契約論を忘却しており、それが様々な面で露出し、現状の社会問題の根底に横たわっているのかも知れません。
当然異論はあろうかと思いますが、薨去という言葉があるのに、あえて逝去と表現するのは国民に対する敬意がない表れではないかという考え方もある程度にお見知りおきいただければ幸いです。

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