JR北海道 2024年3月ダイヤ改正についての個人的な感想
2024年3月16日、JR北海道のダイヤ改正が行われます。正直に言うと、今まで私はダイヤ改正にあまり興味がありませんでした。影響を受けることが少なかったためです。
しかし今回は私も影響を受ける大きな変更だったため、取り上げることにしました。
それでは見ていきましょう。
1.廃止される駅
まず、利用者の少ない5駅が廃止されます。
石勝線の滝ノ上駅、宗谷本線の初野駅と恩根内駅、石北本線の愛山駅、函館本線の中ノ沢駅の5つです。
これについては寂しいですね。時間があれば訪問したいのですが、今年も例に漏れず豪雪なので、なかなか外出できておりません。雰囲気が良い駅もあるので、機会があれば行ってレポートしたいところです。
2.Kitacaエリア拡大
交通系ICカード「Kitaca」のエリアが新設されます。岩見沢~旭川と新函館北斗~函館ですね。
これについてはようやく来たか、という感じ。利用者にとっては嬉しいでしょう。
ちなみに私は使っていないので影響はありませんでした。アナログ人間なのかどうも合わないんですよね・・・。
3.一部特急の全車指定席化
特急の「北斗」(札幌~函館)、「すずらん」(札幌~東室蘭~室蘭 ※東室蘭~室蘭は普通列車)、「おおぞら」(札幌~釧路)、「とかち」(札幌~帯広)が全車指定席となり、自由席が廃止されます。
元々、特急は「特別」急行だけあって指定席が原則であり、しかも昔は指定席の予約が面倒だったため、文字通り特別な列車だったようです。
そこで、特急をより身近に感じてもらうために「エル特急」が新設。自由席が設定された特急列車の運行が始まります。
しかし、端末で手軽に指定席予約ができるようになり、指定席はもはや「特別」な存在ではなくなりました。
さらには人口減少や利用者低迷によるコストカットが推し進められます。その結果、今回のような全車指定席が導入されたのでしょう。指定席ならタブレット端末で予約状況を確認でき、車内改札も必要ないからです。
これについては一周回って元の姿に戻ったのかな、という感じですね。
筆者は特急の無機質さが嫌なので普段は乗りませんが、長距離のお出かけの際は使うことがあります。いつも自由席に乗っているので、指定席になって値上げとなるのが少し面倒ではあります。まあ、ネット割引もあるようなので上手く活用したいところ。
第二次本州紀行の記事で書きましたが、指定席の場合、自由席のような「偶然の出会い」は減るかもしれませんね。
4.石北線・釧網線のH100系投入
石北線の上川~網走、釧網線の全区間の列車が新型のH100系となります。さらに石北線は特別快速「きたみ」が1両増結されます。
この区間はあまり乗りませんが、H100系の波がついに来たな、という感想。筆者はあまり好きな車両ではないものの、低床や車いすスペースがあるため、バリアフリーの観点から見ると評価すべき点ではあるでしょう。
ただ釧網線に関しては景色の良い路線なので、ロングシートが多いH100系を導入してよいのか、疑問ではあります。まあ、観光列車がありますが年中走っているわけではないですからね。普通列車で訪れる観光客もいると思います。柔軟な運用を期待したいですね。
5.根室線(富良野~新得)廃止と運行見直し
根室線の富良野~新得が廃止されます。東鹿越~新得は災害で不通となり、代行バスでの輸送となっていましたが、復旧することなく廃線となりました。
また、快速列車を廃止し、すべて普通列車にするようです。わかりやすいダイヤにするとのこと。
筆者はすでに廃線区間に乗っていますが、今後はお別れ乗車が増えるので、それに合わせて列車も増発するようですね。
廃線は悲しいですが、最後まで見届けたいところです。
6.札幌~岩見沢の減便
利用状況に合わせて、日中時間帯の札幌~江別~岩見沢の列車が減便されます。とりあえず江別行が1本減る見込み。おそらく、後述の千歳線増強のため、人員と車両を持ってくる必要があるからでしょう。
札幌~江別は本数が多いですが、日中は乗客も少ないので減便して千歳線にリソースを回すと思われます。
筆者も影響を受けますが、まあ日中なのでなんとかなるでしょう。ラッシュ時の札幌~江別はかなり過密なので、そこを削られると問題ですけれど・・。
7.岩見沢~旭川にH100系投入
石北線・釧網線に続いて函館線(岩見沢~旭川)にも新型H100系が使用されるとのこと。
まあ、今まで車両に対して乗客が少なかったので、予想していた方もいたと思います。
効率化のためにはやむ無しと言えますが、やはりロングシート化され、旅情が削がれるのが懸念点ですね。
筆者は速達より旅情を重視するので、あまりにひどい場合は列車に乗らなくなることもあり得ます。まあ、様子を見ることにしましょう。というかクロスシートは今後、特急と札幌近郊だけになるかもしれません。いや、札幌近郊すら長期スパンで見れば怪しいですが・・・。どうなるんですかね・・?
8.快速エアポートのダイヤ見直し
(1)札幌~小樽
今回の改正の目玉ともいえる部分。快速エアポートのダイヤ変更です。
まず、桑園駅(札幌の西隣の駅)にすべての快速が停まります。沿線住民にとっては嬉しい変更ですね。
さらに、小樽直通の「快速エアポート」は手稲~小樽が各駅停車となります。代わりに、札幌~小樽の普通列車が毎時1本減便。
後述の札幌~新千歳空港を増強するために普通列車を間引きしてでも快速を増発する、とのことでしょう。
これにより、手稲以西の稲穂や星置は快速エアポートにそのまま乗れるため、利便性が向上。代わりに手稲以東の発寒などは普通列車が減便され、快速も停まらないので利便性が低下します。
筆者は乗客の多い「エアポート」があまり好きではないため基本は普通列車で行くのですが、小樽が遠くなるかもしれませんね。
(2)札幌~新千歳空港
まず、9時~16時のエアポートを1本増やし、毎時6本となります。すでに過密ダイヤですが線路容量は大丈夫なんですかね?
さらに、小樽行き特別快速と区間快速(北広島~新千歳空港は各駅停車)が新設。特別快速自体はありましたが、小樽まで直通となる上、毎時1本に増発されます。
待望の区間快速も登場。むしろなぜ今までなかったのか不思議なくらいです。
これまでは千歳行き普通列車の乗客が北広島駅で快速エアポートに乗り換えることがあり、空港への需要と地域住民の快速需要が重なっていました。それも混雑の原因だったと思います。
これで空港輸送と地域輸送の棲み分けができ、エアポートの混雑も緩和されるのではないか、期待したいところ。まあ筆者は空港には行かないですけれど。
そしてここからが筆者にとっては重要なのですが、札幌からの普通列車が北広島止まりとなり、千歳行き、苫小牧行きの普通列車が消滅します。まあエアポートを増発するならそうするしかないでしょう。
代わりに千歳駅から苫小牧行き列車が発車し、一部は室蘭線に直通します。千歳~苫小牧ではワンマン運転となるようです。
これにより、札幌圏から普通列車で苫小牧へ行くのがかなり面倒になりました。札幌ならまだしも、たとえば江別や豊幌から乗る場合、白石で乗り換え、北広島で快速に乗車し、千歳へ。そこからさらに乗り換えて苫小牧へ、ということになります。
現状は白石で乗り換えれば済むので、乗り換え1回ですが、この変更によって乗り換えが2回増え、3回となります。
しかも新設の区間快速は白石に停まりません。毎度思うんですが、分岐駅なのに不遇すぎる・・・。桑園駅との差がついてしまいました。
まあ、苫小牧行き列車は直通で便利とはいえ、結局貨物や特急、快速の待ち合わせで停められるので所要時間が長かったのは確か。
現状は北広島、島松、サッポロビール庭園の3駅でほぼ停められます。だから、乗り換えが生じても快速に1本化させるのでしょう。
ただ、これによって苫小牧が遠くなったのは間違いありません。白石ではなく、バスで新札幌に行っても、結局普通列車は北広島、快速は南千歳止まりなので苫小牧へは1本で行けません。
普通列車で本州を目指す筆者のような人には辛い変更かもしれませんね。これに関しては岩見沢・室蘭線経由という裏技があるので、場合によっては活用していきたいところ。
特急に魂を売らず頑張ろうと思います!
9.おわりに
ということで、来月のダイヤ改正についてでした。個人的には改悪ですが、利便性が上がる地域もあるので声高に文句は言いません。私も鉄道ファンの端くれなので、工夫して何とかします。
ただ、もう鉄道の時代は終わったなと思わざるを得ない変更でした。もはや航空機や自家用車、高速バスに勝てないからサービスをどんどん縮小するしかないのだと。
国鉄の分割民営化と新幹線開業により、在来線のネットワークはズタズタになりました。一番ひどいのが北陸で、日本海縦断が相当手間になってしまいました。
もはや北海道も札幌近郊と貨物・特急くらいしか生き残れないかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。JR北海道の列車もぜひご利用ください。特に秘境駅はおすすめです。非日常体験ができます。私も今年はJR東日本を利用する予定です。