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【小説】目が覚めたら夢の中 第22話:告白1

告白1

「カミュスヤーナ様、お久しぶりでございます。」
目の前でひざまずいた少女は、あいさつの後、カミュスヤーナを見上げた。
ハーフアップにした長い水色の髪が、彼女の背中を覆い、深い青い瞳がカミュスヤーナに向けられた後、彼女は顔を痛々しそうにゆがませる。

「私のことはわかりますか?」
「魔力感知を視力の代わりにしているので、ちゃんと見えるさ。ただ、瞼を開くとまぶしいので、念のためにね。」
カミュスヤーナは自分の両眼を覆っている布に手をやった。

「先日は私のことも助けていただきましてありがとうございました。申し訳ありません。熟睡していたのか、カミュスヤーナ様の訪れにも全く気付かなくて。」
「そなたは病気だったのだから、無理もない。薬が効いたようでよかった。体調はもういいのか。」
「はい、滞りなく。」
「今日はゆっくり話ができるのだろう。隣の部屋で話そう。」
カミュスヤーナは立ち上がり、少女の前に歩み寄ると、立つように促し、彼女をエスコートして隣の部屋に入る。

隣の部屋には既にお茶の準備がされていた。
カミュスヤーナの従者であるミシェルが、カミュスヤーナと少女の前にお茶をつぎ、部屋を出て行った。

「カミュスヤーナ様、この度は。」
「テラ。ここでの話は他の者には聞かれないから、昔のようにカミュスと呼んでくれないか。」
カミュスヤーナが少女に笑みを向けると、少女ーテラスティーネーの顔がほんのりと赤くなる。

「はい。カミュス。この度は養父様と養母様を亡くされて、お悔やみ申し上げます。そして、領主就任おめでとうございます。」
「私としては領主にはなりたくなかったのだが。まだアルスカインが成人になっていないので、仕方がない。アルスカインとは、院で一緒であろう?仲良くしておるのか。」
「学んでいる内容は異なりますが、ご一緒することもございます。ええ。仲良くしておりますよ。」

「私ももう少し院で学んでおきたかった。」
「あら、優秀なカミュスが院にいらっしゃいますと、私やアルスカインが比べられて肩身が狭いのですけれど。」
「何をいう。毎年優秀を取っていると聞き及んでおる。私としても従兄妹として誇りに思う。今後もはげむがよい。」
「ありがとうございます。」
テラスティーネはカミュスヤーナの言葉に嬉しそうにほほ笑んだ。

カミュスヤーナはその笑みを見て、動きを止めたが、軽く頭を振った後、言葉を発した。
「今回はそなたの婚約の件で話があるのだ。」

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説那(せつな)
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