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【小説】恋愛なんてよく分からない(仮) 第23話 別れ

第23話 別れ

テラスティーネ。

自分の名を呼ぶ声に振り替えると、そこには最愛の人が立っていた。ブラチナブロンドの髪、赤い瞳。彼は整った顔だちに、冷たい眼差しを載せて、こちらを見つめている。

カミュスヤーナ。

彼はつかつかと私の元まで歩いてくると、テラスティーネの頬に自分の手を伸ばした。

カミュスヤーナ?
テラスティーネ。そなたここで何をしている?

テラスティーネは、カミュスヤーナの表情を見て、ハッとしたようにその青い瞳を見開いた。

私は、カミュスヤーナの力になりたくて。
力だと?そんなもの必要ない。

カミュスヤーナは、テラスティーネの顔を見て、口の端を上げた。

テラスティーネ。今日はそなたに別れを告げに来たのだ。
別れ・・?
そなたは弱い。私には必要のない存在だ。
そんなっ。

愕然とした様子のテラスティーネの頬を、伸ばした手でカミュスヤーナは軽く撫でた。

もう、解放してやろう。そなたは自由だ。
置いていかないでください。カミュスヤーナ。

青い瞳に涙を滲ませたテラスティーネを見て、カミュスヤーナは嫌そうに顔を歪ませる。

そなたはすぐに泣く。助けたいと言いつつ、私がそなたを助けることの方が多い。もう、たくさんだ。
カミュスヤーナ・・。

それほど、私の元にいたいなら、私のことを害してみせよ。

カミュスヤーナは自分の胸に手を当てた。テラスティーネの手にはいつの間にか短剣が握られている。

私を害して、そなたが後を追えば、私達はそれこそ永遠に一緒にいられるだろう。
本当ですか?永遠に一緒にいてくださいますね?

弱いそなたに、それが成しえるとは到底思えぬがな。

カミュスヤーナは、高らかに笑い声をあげる。
テラスティーネは、カミュスヤーナをその蒼白の面で見つめながら、手に持った短剣を掴み直した。

第24話に続く

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