足並みをそろえる ~学年経営の基本~
学年主任が意識すべき「足並みをそろえる」重要性
こんにちは。学年主任の幸です。
今回は、学年主任として働く中で気づいた、とても大切なことを共有したいと思います。
それは、学年全体で足並みをそろえることです。
皆さんの学年では、日々の活動や取り組みで足並みをそろえられていますか?
もしかすると、学級ごとに方針ややり方がバラバラになっている部分があるかもしれません。
私自身、最初は「学年の先生たちがそれぞれ自由にやるのがベストだ」と考えていました。
しかし、その結果、学年全体で足並みが揃わず、先生同士の連携が不十分になり、それが子どもたちにも悪影響を及ぼしてしまったのです。
あの日ほど後悔した日はありません。
その時から、学年全体で足並みをそろえることで、先生同士の信頼関係を深め、学級・学年運営を安定させることを大切にしてきました。
そして、足並みをそろえることは一見窮屈のように感じますが、結果的に子どもたちの成長を促すことにつながることがわかりました。
ただし、足並みをそろえるといっても、一律に全てを揃えればいいわけではありません。
そこで今回は、学年で意識したい具体的なポイントを2つご紹介します。
1. ルールの統一
学級運営において、ルールの違いが子どもたちに不満を生むことは少なくありません。
例えば、次のような声を耳にすることはないでしょうか?
「隣のクラスでは○○してもいいのに、なんでうちのクラスはダメなの?」
「あのクラスはあまり注意されないのに、自分たちは怒られる…」
子どもたちは、各クラスの小さな違いに敏感です。
誰しも、できるだけ緩やかなルールで過ごしたいと思うこともあるので当然のことだといえるでしょう。
しかし、こうした不満は、小さな違和感として積み重なり、最終的には学級の崩壊や子どもたちの学びへの姿勢に影響を及ぼすことがあります。
また、厳しくルールを守らせている先生が「損をしている」と感じる場面も生じがちです。これが先生同士の摩擦や不満につながることも避けたいものです。
解決策:事前にルールを決める
こうした問題を防ぐためには、学年全体でルールを統一することが必要です。学年会で次のような項目を話し合い、全クラスでの統一を目指しましょう。
持ち物のルールや宿題の量
忘れ物への対応
教室内での行動に関する基本ルール
「細部にこだわりすぎる必要はありませんが、大枠は統一する」という意識を持つことで、子どもたちの不満を軽減し、教師間の協力体制も強化されます。
学年で共有しておくといいルールについてはこちらにまとめてあります。
2. イベントの共有
学級ごとの特色を生かしたイベントは、子どもたちにとって素晴らしい学びの場になります。一方で、学年内での連携が不足していると、次のような問題が発生する可能性があります。
一部のクラスだけが目立ってしまい、他のクラスが疎外感を感じる。
学年主任や他の先生に事前共有がないことで、混乱や不満が生じる。
しかし、イベントを行ったクラスも子どもたちのために動いているため、「やりたいことをやっただけなのに、なんで文句を言われるの?」と不満を感じてしまうことでしょう。
解決策:イベントの事前共有ルールを作る
これを防ぐために、イベント企画の共有ルールを作りましょう。学年会で以下の点を取り決めておくとよいでしょう。
イベントを企画する場合は、事前に学年全体で相談する。
学年全体で取り組むイベントと、クラス独自のイベントを明確に分ける。
イベントの目的や内容を他の先生に共有する。
こうした取り決めを事前に行うことで、学年全体の協力体制が強化され、「知らなかった」「相談がなかった」という問題を防ぐことができます。
予め学年全体で足並みをそろえることで、先生たちが安心して働ける環境が生まれ、それが子どもたちの健やかな成長につながげていけるのです。
もちろん、全てを揃える必要はありません。各学級の自由度や個性も大切です。
しかし、最低限のルールや方針を共有することが、より良い学年運営につながっていくのです。
まとめ
学年主任としての役割は、ただのリーダーではありません。
むしろ、学年全体を調整し、足並みをそろえることで信頼関係を築き、スムーズな運営をサポートする存在です。
そのためには、ルールやイベントの足並みをそろえることが最初の一歩となります。
教師としてのチーム力を高め、子どもたちに最高の学びの場を提供するために、これらの視点をぜひ意識してみてください。