農村の未来物語⑦ Web3技術を活用した「みんなの畑プロジェクト」による新たな気づきと効果
「みんなの畑プロジェクト」を進める中で、実施前は想定していなかったさまざまな効果と気づきが生まれました。特に、Web3技術が農業分野にもたらす可能性に気づき、農業を取まく環境問題の本質を更に深く理解するきっかけとなりました。以下に、これらの新たな気づきとその効果を掲げます。
ネイチャーポジティブと自然資本の可能性に気づく
農業を中心にすえた取り組みを進める中で、「ネイチャーポジティブ」という考え方に出会いました。この概念は、2030年までに生物多様性の減少を停止し、それを回復させることを目標としています。この考え方は、農業を単に食料生産の場としてだけではなく、自然環境の保全と回復を支える重要な役割を持つものとしての方向性を示しています。
これを反映し、自然資本を中心にした挑戦を始めました。高機能バイオ炭の活用や、地域の生態系を守る農法の追求など、生物多様性を回復する取り組みを廣げていきたいと考えています。そして、ReFi (Regenerative Finance)の仕組みに注目し、ブロックチェーン技術を活用して自然環境を再生するための資金や支援の流れを構築し始めました。
若者が農業に興味を持つ新しいきっかけを作る必要性
プロジェクトを送る中で、多くの若者が農業に興味を持つ一方で、実際に農作業に参加する段階でためらうことが多いことに気づきました。その背景には、「農業では生活していけないのではないか」という不安が大きく影響しています。
この問題を解決するためには、Web3技術を活用して農業の経済価値を向上させ、若者が参加しやすい仕組みを構築することが重要です。以下に一部の試みを掲げます。
トークンエコノミー: 農業体験や地域貢献に対する報酬としてトークンを発行し、活動への参加を促進する。
NFTの活用: 農作業や収獲物にストーリー性を持たせ、NFT化することで農業の魅力をデジタル市場で発信。
Web3を通じた副業モデル: 農業を本業ではなく、副業やコミュニティ活動の一環として捉えられる環境を整備。
Web3技術の農業分野における有用性
これまでの取り組みで、Web3技術は農業の現場に新しい価値をもたらす可能性があることを学びました。以下に、特に有用だと思われる為の実例を上げます。
DAOを活用した共同体の形成: 農業の意思決定を地域内外の人々と共有することで、透明性と協力を高められる。
ブロックチェーンを使った履歴管理: 産物の履歴を証明する仕組みを導入することで、消費者の信頼を向上させる。
ReFiで資金調達を実現: 環境保全を目的とした活動をトークン化し、グローバルな支援を募る。
これからの挑戦
これまでの取り組みを通じて、農業には多くの可能性が眠っていると実感しました。「ネイチャーポジティブ」の目標達成に向けて、自然資本を活用した農業モデルを構築し、若者が農業に関わりやすい環境を作ることが、これからの課題だと考えています。そのために、Web3技術やReFiを活用した新しい仕組みを学び、試行錬論しながら挑戦を続けていきます。