見出し画像

隣の奥さま

今のマンションにはもう16年も住んでいる。
隣のご家族も入居時から住んでいるので、もう16年お隣同志ということになる。
息子さんはぽっちゃりした小学生だったのが、どんどんシュッとして行って大人になる姿を、エレベータなんかで会った時に見ていた。
16年もたつと子どもはどんどん大きくなっていく。
妹さんもいるのだけれど、障がいを持っていて、車椅子でいつも外出していた。お母さんもいつも一緒だ。

会うと挨拶をするし、何かいただきものがあったらおすそ分けしあうぐらいの関係だったのだが、その奥さまがなんと今日、妻のお花のレッスンにきてくれたのだ。

ミモザのブーケを作るというレッスン。
お花が好きだからと言うので、余ったお花をおすそ分けしたりしていたのだが、今回初めてレッスンにきてくれた。

レッスンが終わって、僕も混ざってお茶をしながらいろんなお話をした。

お兄ちゃんはもう就職し、今は神戸にいると言う。
最近見ないなと思っていたら、あのぽっちゃりとした男の子が就職しているとは。。

妹さんは、今はどこかの施設に通っているようだ。
こうして自由な時間を持てるくらいには、自立ができているということなのだろう。

うちの娘が今度小学校に上がると言うことで、教育の話で盛り上がる。

息子さんは、うちが学区でありながらそこに行くのをやめた、K小学校を卒業したということだった。
「うちはそこをやめてD小学校にしたんです」
というと、
「K小学校はみんな受験の話ばかりで大変でした。うちは塾に通わせなかったから」
という。

そんな話から学校の押し付けてくる普通とはなんなんでしょうねぇという話へ。

「うちは娘は全然何もできないところからのスタートでしたから、普通にできることなんてなかったんです。学校の普通って普通じゃないですよね」

という。

その言葉にいたく共感した。
ほんとみんな違うし、違うからこそ価値があるのに、なぜ学校はみんな同じようにさせようとするのか。
奥さまは、それが身に染みているのだろうなぁ。

そんな話を、16年隣同士に住んでいて、初めてしたのだった。

なんだか話が盛り上がってしまい、とても嬉しい気持ちになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?