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高知旅行記②ゆく四万十川の流れは速くして、しかも魚も旨い
お世話になります。年度末でひぃひぃ言ってる間に更新が遅れた、旅するコウタペンギンです。前回に続いて、高知の旅二日目の日記を書いていきたいと思います。目次はこちら
1)高知の朝市・日曜市で人びとの熱気に触れる
高知駅前では、中心街の大通りを貸し切って住民の皆さんがバザーを開く「日曜市」という催しが毎週日曜に行われます。ガイドブックでこの存在を知り、ここで食べ歩き朝食をキメるのが二日目のスタートとなりました。
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市では柑橘ジュースやアイスなどの定番もの以外に、民芸品や金物瀬戸物、お婆ちゃんが今朝採って調理したゆでたまごなどが売られており、まさにフリーマーケット!昨日の高知市街の様子から一段も二段も増した活気に、私もなんだか朝から元気を貰えた気がします。
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2)エモさの塊・ローカル線の旅
ワンマンの汽車やローカル単線にエモさを感じるのは都市部住まい特有の上から目線……というツッコみがあるのは重々承知してますが、それでもやっぱりな自然と線路が互いに織りなす光景は、旅人を惹きつけてやまない強烈な魅力があると思います。
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日曜市で充填したエネルギーをフル活用し、二日目は鈍行で高知県南端(のちょっと手前)まで一気に移動しました。行先は四万十川下流の街、中村市。四万十川に多く残る「沈下橋」を観光する拠点としてオススメされた町になります。駅前から観光バスもいくつか出ており、高知県南部観光の拠点といったところでしょうか。
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3)四万十川サイクリングという名の軽登山
駅近くのホテルでチェックインし、早速レンタサイクルを借りました。観光案内所は昼3時や夕方5時とかで閉まるパターンが多々ありますが、ホテルで借りると夜中まで無料で使えたりするので大変便利ですね。
目的は四万十川巡り……なのですが、後日控えているカヌー体験の為、スマホ用防水ケースもケーズデンキで購入していました。地方都市特有の「駅前より国道沿いのほうが発展している」パターンです。私の自宅もそのパターンです。助かる助かる。
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四万十川沿いを通って上流に向かうサイクリングロードは、本当に最高でした!豊富な水量がもたらした自然が下流からずっと折り重なり、遠くからは知らない鳥の鳴き声も聞こえてきます。
水辺なこともあって気候も涼しく、「時間の流れが遅めだな」と感じた高知市から、さらに2段ほど時の進むスピードが遅くなったような、強い解放感のある場所でした……などと運動不足の体を猫パンチで弄んでいたら、
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猫パンチだった攻撃が、一瞬でツメを立てたきょうれつないちげきに変貌しました。両脚が悲鳴を上げ、そのくせ景色はサイコー!矛盾に満ちたヒルクライム&ダウンヒルを乗り越え、何度も名前を聞いた有名スポット「佐田沈下橋」に何とかたどり着いたのです。
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3)一大メジャースポット、佐田沈下橋
中村の街は先程のお話通り、国道付近以外は人より鳥のほうが存在感のある場所でしたが、この「沈下橋」周辺だけは別でした。観光客めっちゃ居ます。
増水時の水没を許容するかわりに建設コストを下げられる位のメリットだけで、今や時代遅れの感が否めない沈下橋ですが、今ここに至っては観光資源としても機能するようになっていますね。何故って、
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景色がほんとダイナミックなんですよね!車がすれ違えないくらい狭い道のすぐ下を、流れを阻害されない川の水がハイスピードでゴウゴウと流れてゆきます。
大きな川の下流って流れがゆっくりなイメージを持っていたのですが、間近で見ると全くそんなこと無いですね!仮に落ちてしまったら、自分なら恐らく溺れるんじゃないか……という想像が浮かぶ程度には速いです。
関東の山の上流に行くと、時々 釣り人がライフジャケット着て獲物を狙うような石ゴロゴロの渓流がありますが、そこくらいのスピード感でしたね。自然の力ってすげー!
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4)めっちゃ旨かったよ!を伝える非言語コミュニケーション
実際に自転車で巡ってみると中村の街はけっこう広く、良い感じの夕食どころを探すにはなかなか苦労させられました。日曜日というのもあったかもしれない。そんな中で、二日連続で大当たりを引き当ててしまいましたよ!
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GoogleMap上では定休日となっていた中村市の小料理屋「常連」さん。足を使ってお店を探すと、思いもよらぬ出会いをもたらすことがあります。
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……とまあこんな感じで、最後の写真の「ごりの卵とじ」がやわらかい口触りと甘くコクのある味付けで酔った身体に最高に染み入ったわけですが、他の料理もとても美味しく、たいへん良い夜を過ごさせてもらいました。
昨日の食事処「曽我部」さんは店主と女将さんが色々話しかけてくれ、楽しく過ごせたのですが、「常連」さんはその名の通り(?)常連さんがお店にいたこともあり、店での会話の機会はほとんどありませんでした。
……しかし、お酒も料理もあまりにも美味しく、気が付けば私は食事中ず~~~っと満面の笑顔に。この料理に言葉はいらない、ただ味わうだけで良い……!という心持ちで、お腹いっぱいになるまで堪能させてもらったのですが、
気が付くと、店主さんがすごく良い笑顔で私の事を見つめていたのです。注文時以外ロクにしゃべらない、怪しい一人旅のおっさんのことを、です。……店主さんの目は雄弁に語っていました。「ウチの料理を美味しく食べてくれてありがとう」と。
旅の間はコミュニケーション能力にプラス補正がかかるとはいえ、基本的にあまり喋るのは得意でありません。……それでも、「美味しい」という原始的な喜びの感情は、時に言葉を超えて誰かに伝わり、幸せの連鎖を巻き起こすことがある。
そんな素敵な体験ができた、高知県中村市の一夜でした。また行きたーい!