HOOD SHIRTS 前編
最近世界的に高騰が著しいヴィンテージのパーカー。
特に後付けパーカーやロックフードを必死に探している方は多いのではないでしょうか。
でもその後付けやロックフード、物自体は有名ですがそれらの年代やディテールはざっくりとした情報しか流通していません。
今回はそんな戦前のパーカーについて書いていきたいと思います。
戦前のパーカーは大きく分けると4パターンです。
①ロックフード(シングルフェイス)
②ロックフード(ダブルフェイス)
③後付けパーカー(シングルフェイス)
④後付けパーカー(ダブルフェイス)
極稀に当てはまらないパターンの個体がありますが、それらはこの4パターンのいずれかから派生したものと考えています。
今回は前半の2パターン(ロックフード)について書いていきたいと思います。
①ロックフード(シングルフェイス)
ロックフードはフードまわりがロックによる始末をされている為そう呼ばれています。
近年復刻もされているのでヴィンテージスウェットに興味がない方でも見たことがあるという方も少なくないでしょう。
ロックフードを生産していたのは主にCHAMPIONとSPALDING。
この2社以外にもありますが、メインはこの2社です。
今回はこの2社を軸に書いていきます。
まずは誕生から。
SPALDINGからは1928年には既にカタログに登場していました。
カタログ左下のNo.3CH、TCHがコットンのロックフードです。
ロックフードはCHAMPIONよりもSPALDINGが先に製作したと考えています。
CHAMPIONはコットンスウェット製品を1928年から販売を始めたという記録があります。
SPALDINGと同時にロックフードを作ったとは考えにくく、またSPALDINGも1928年以前から作っていた可能性もあるからです。
1928年当時、他のどのカタログを見てもコットンスウェット素材のパーカーを見付けることはできません。
この頃はSPALDINGを筆頭にウール素材でパーカーを製作しているメーカーが見られます。
このウールパーカーをコットンに置き替えて作られたのがシングルロックフードです。
1920年前後からコットンスウェットは開発されています。ウール素材は肌触りが良くない為にコットンスウェットが次第に支持されていったのでしょう。
このSPALDINGのシングルロックフードが恐らく初めて誕生したコットンのスウェットパーカーでしょう。
現代では普段なら何気なく着ている方も多いスウェットパーカーですが、それの原型を産み出したのはSPALDINGだと思っています。
もちろん1920年代の全てのカタログを確認した訳ではないので断言できませんが、SPALDINGシングルロックフードよりも古いと思えるパーカーの現物には出会ったことも聞いたこともありません。
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