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<読書記録>不妊治療とハンチバック

最近の芥川賞、直木賞作品は読んでいません。
本屋大賞にノミネートされた本はよく読みます。

読まない理由は大した理由ではありません。
面白いと思わないからです。これは私個人の感想ですが。

そんな私ですが「ハンチバック」を、Audible聴き放題プランで耳読しました。

きっかけは、授賞式で披露された言葉をどこかで見て興味を持ったからです。

私は紙の本を恨んでいた。
目が見えること、本が持てること
ページがめくれること
読書姿勢が保てること
書店へ自由に買いにいけること
5つの健常性を満たすことを要求する
読書文化のマチズモを憎んでした
その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。

確かに私は紙の本が好きな「本好き」
彼女は、どう批判して、それがどのような方向に帰結するのか読んでみたくなったのです。
ですが、この一塊の発言はこれだけであっさり終わっていました。

AudibleやAmazonAmazon unlimitedのプランで聴き、読み
図書館で借りた本を購入することはよくあります。

ハンチバックを買うかと問われたら、耳読でもういいかなと思います。
著者の父親が言うところの破廉恥な部分の問題ではなく
内容が薄いので手元におこうとは思わないのと、聴いている間
モヤモヤしていたからです。

この本を、ああいい本だったと思えたのは、最後のおそらく数行。
ネガティブ発言オンパレードの彼女が最後に美しく昇華したように思えました。

モヤモヤをはっきり認識したのは
Voicyパーソナリティ森下知哉さんの不妊治療に関するテーマを聴いたときです。

本放送はプレミアムなので、ダイジェスト放送を貼っておきます。

なんとなく不愉快に思っていた以下の発言が
彼女が言うところの「無知な傲慢さ」ではないか、と。

妊娠をしてみたい
(中略)
でもたぶん妊娠と中絶なら普通にできる
生殖機能に問題はないから
だから
妊娠と中絶をしてみたい
普通の人間の女のように子供を宿して中絶するのが私の夢です。

彼女から見れば、子供が欲しいなんて
健康な身体で生まれてきた者の贅沢としか思えないかもしれません。
しかし、一方、病を得ながらも、介護を受けて生活ができる彼女は
明日食べるものに困って親殺し、子殺しをする人たちからみれば
恵まれた環境なのかもしれません。

いずれにしても、何を思っても何を発言しても
それが偏っていようが、矛盾していようが、発信者の自由です。
ただ、私はとてもモヤモヤしたのです。

私は障がい者、健常者という言葉が好きではありません。
みんなどこかしら他の人とは違っていますし
得意なことや、苦手なこと、できること、できないことは違うからです。



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