<学び>学びは独りが良い 練馬区立牧野記念庭園にて
関東方面のオンライン受講生の方にお会いする機会が少ないので、予定していた牧野記念庭園散策を急でしたがお誘いしてみました。
前日のお誘い、それも平日の午後、ということでどなたもお越しになれなかったのですが、結果的には、美術館や博物館と同様に独りで良かったと思いました。
駅から蒸し暑い道路を少し歩くと、木々に囲まれた牧野記念庭園が見えてきました。
緑に囲まれた空間はその一角だけが清涼でした。
この場所は植物学者牧野富太郎氏が住居を構えて最後まで住まわれていた場所で、本で読んでいた牧野先生のお考えどおりの暮らしをされていたのだなあと、感じられました。複数の人で行けば、おそらく、植物1つ1つ気になる人もいるでしょうし、私のように庭全体を感じたい人もいるでしょうし、鑑賞の仕方が違うので、どちらもが少しずつ我慢するようになったかもしれません。
誰も居ない緑の中に立って、ああ、独りで来て良かったと思いました。
その思いをより深く感じたのは、牧野先生が残された「赭鞭一撻」をじっくりと読むことができたことと、独りだからこそ、この高邁な研究への心構えが、
私のような者でも、読んだだけでなく、一つ一つの教えが自分の中で共鳴し、私らしく意味のある形にまで咀嚼して吸収できたことでした。
これが、「連れ」が一緒だと足を止めて読むことはできても、それを自分の中で増幅させることはできなかったと思います。
ここは写真撮影禁止ではなかったので、撮影してきました。
中学、高校時代、受験勉強を「合言葉」だと思っていました。
行きたい学校が「山」といえば「川」と答えられるように丸暗記すること、つまらないなあ、と。
今の若い方はご存知ないかもしれませんが、赤穂浪士が討ち入りのときに仲間を選別するための合言葉が「山」「川」でした。
なので、中学、高校時代は全然熱心に受験勉強しませんでしたが、大人になって興味があることを勉強するのは本当に楽しくて、この勉強が何の役に立つというわけでもなくても、勉強を楽しんでいる自分が幸せなのだ、と牧野博士と関連して話題にさせていただくのは、はとんでもなく無礼ではありますが、しみじみとそんな自分を納得できた出会いでした。