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<読書>心と体がラクになる読書セラピー

うつ病から読書によって回復した著者が
読書療法について学び、深い知見の元に書かれた指南書です。

そんじょそこらのハウツー本ではありません。
とはいえ、著者の優しい眼差しが感じられる
誰もが読み進めやすい言葉で語られています。

本書は読書セラピーについて
大きく、理論編と実践編に分かれています。

理論編では

読書セラピーについて
定義や、歴史、各国の状況

が紹介されています。

詳しくはQ&Aという形で、読者がもっと知りたいと思う点について
丁寧に紹介されています。

実践編では

本の選び方 読み方 具体的な処方について 

紹介されています。

Kindle版も発行されたので、そちらも購入しました。
というのも、この本は一度読んで終わりではなく
実践していく過程で、読者の成長と共に、読み直すことで
新たな学びが得られますし、外出先で話題になったときに
手元に本が無いと正しく伝えられないからです。

私はハーブを暮らしに取り入れる楽しみを伝える仕事をしていますが
そのための「学び」がどんどんニッチになっていて
「暮らし」から乖離していくようなモヤモヤを抱えていました。

この本や著者の読書療法学会で学ばせていただいて
「本とハーブのある暮らし」の意義を感じることができ
活動指針とすることができました。

「資格」についても、モヤモヤしていましたが
「読書セラピスト」という資格は設けない
理由は、

資格にしてしまうと、「その資格取得を通じてきちんと勉強したい」という方だけでなく
「とにかく何か資格を取りたい」「その資格で手っ取り早く儲けたい」
という方も集まるようになります。
そうすると、読書セラピストの方向性とは真逆になってしまいます。

寺田真理子. 心と体がラクになる読書セラピー (p.81). 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン. Kindle 版.

ハーブやアロマの資格も長い経験や学習がなくても
机上のテキストで完結できるものも多くあります。
そんなことに気づいて、自分のところでは
ある程度の期間学んだ人には、卒業証書のつもりで
資格を出していましたが、生活に使いたいだけの人には不要だし
人に教えたい人は、もっと長く経験を積まなくては
臨機応変に質問に答えることはできない、と思うようになり
資格を出す講座もやめました。

また、紙の本と、電子本の違いを著者の寺田真理子さんはこのように書かれていて
これもまた、私が思ってはいるけれど、言語化できなかったことを
余すところなく述べてくださっていて、この本との出会いに
心から感謝しています。

全部電子書籍でいいというのは、たとえばサラダを食べる代わりにビタミン剤を飲むようなものだと思うのです。サラダに入っている各種の野菜の色合いや歯ごたえ、味わい、みずみずしさ――それを味わうことと、ビタミン剤を飲むことは、たとえ同等の栄養を摂取できたとしても、同じ体験にはなり得ません。100冊の本を実物の本で読んだ方と、電子書籍で読んだ方では、感性の点で大きな開きが生じてしまうのではないでしょうか。紙の本の場合、紙の種類一つとっても、風合いや持ち重り、印刷の出具合など、あらゆる要素を勘案して選ばれています。著者や編集者、装幀家をはじめ関わった方たちの行き届いた配慮がそこにはあります。それを受け取ることと、電子化された情報として受け取るのでは、やはり大きな違いがあると思うのです。

寺田真理子. 心と体がラクになる読書セラピー (p.134). 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン. Kindle 版.


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