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<映画>ソング・オブ・アース

印象としては、監督が愛する故郷の自然や両親にカメラを向けた
記録映画のようでした。

特に、地滑りで亡くなった身内中数名の名前を湖底の映像と重ねて
表示し、読み上げていくシーンは、記念のホームビデオならば
いいと思いますが、あまりにも個人的で退屈な映像だと思いました。

ただ、ノルウェーの壮大な自然の映像は美しく
この地球に生まれて、人生が100年あったとしても
決して見ることのできない場所が目の前に広がっていることに
とても感動しました。
まさに、センス・オブ・ワンダーの世界でした。

世界の多くの場所は、観光で訪れる可能性が
ゼロではないと思いますが
舞台となった大自然の中の小さな村には
交通手段も無く、生で自分の目で見て、音を聞き
この空気に触れることは無いという事実と
画面越しながら、目の前に広がっていることに
不思議なほど感動しました。

父親が、自然の中を歩きながら、一人語りをすることが
ほとんどのシーンなのですが
私も、両親から、たくさんの話を聞いたなあと思い出しました。

足元の草の名前や、土地の名前、辛い時に励ましてくれた言葉。
次々と思い出しながら、自分は子供達にどれほどの言葉を
話しただろうか?子供達が懐かしく思い出すような言葉を
贈っただろうか?と考えると、日常の世話や小言に終始していた気がします。

この映画は、忙しい日本人9割の人にとって
退屈かもしれません。
映画に、ワクワクや楽しみ、スピーディーな展開を期待する人には
向いてないでしょう。

ただ、忙しい日常の中
スマホを鞄にしまって、劇場の座席に座って自然を眺めることの
意義を感じられたら、とても良い映画を観たと感動することでしょう。

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