当会英会話授業レポート②かの国民的ヒーローから派生したディスカッション。
こんにちは！NPO法人高卒支援会でボランティアをしています、高校二年生の井上です。当会ではアメリカ人の先生による英会話の授業が毎週行われています。（主にどんなことをしているのかはこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。）今回は、先週の授業で行われた興味深いディスカッションについてご紹介したいと思います。
ディスカッションは、かの有名な国民的ヒーロー…頭がアンパンのあの方が主人公であるアニメのオープニング主題歌についてでした。なんとその歌詞を訳してみようということになったのです。皆で円になり、ただでさえ抽象的な表現の多い詩を、一部分（Aメロ～サビ前まで）ではありますが一生懸命訳しました。先生自身は歌詞がどういうことを意味しているのかわからないので、私たちの解釈をどうにかして英語で伝えなくてはなりません。なかなか大変でした。
何とか全員で解釈を一致させたら、今度は先生が質問をしました。
・あなたを幸せにするものは何か。
・人生において、辛い・苦しいことは経験するべきか。
などです。
人生において辛い経験はするべきか。この問い、イエスと答える人が多いでしょう。しかし、その理由まで答えるのがこの授業。生徒の一人は、苦しいことを経験しないと、人生の苦しい・嬉しいの波がなくなり、平坦になってしまうからと答えました。また、別の生徒は苦しいことを経験するからこそ、嬉しいと思える経験ができるんだ、と回答しました。
では、その苦しい経験を生かして人生を送っていくべきかという問いについて、先生が彼の友人を例に出します。その友人は幼少期は貧困に苦しんでいましたが、大人になってお金持ちになったと言います。今経済的に豊かになった彼は、過去に貧しかったことについて何も気にしていないそうです。大人の自分が今の自分であり、過去の自分はそうでないということでしょう。この例から考えられることは、抱えていかなくてもいい苦しい経験もあるよね、すべての苦痛が人生の糧になるとは限らない、そういう話でした。
まさに哲学的で深い内容でした。最後に、このような深い話をするのは好きですかと先生が生徒たちに尋ねたところ、どちらかといえば好きかな、と頷く生徒が大半でしたが（私もその一人）、好きじゃないと答える生徒もいました。考えることが多くなるので大変、話題が軽い方が話しやすいとのことでしたが、たまにならこうやって深く考察してみるのいいかな、という結論に達して授業は終了。英語でこのようなことについて話し合うのは、私自身にとっても初めての経験でした。英会話の授業は９０分と、普通の授業に比べたらかなり長い。その中で、ゆったりと思考にふける（しかも英語だったのがすごい）ことは、知識を詰め込むばかりの授業よりもずっと貴重だったと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました！
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