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右腕のリーダーシップ

人をサポートしているうちに、自分が犠牲になってしまうことはありませんか? 右腕、二番手、アシスタント……表現は様々ですが、「サポート役」もリーダーと同じくらい大切な存在です。むしろ、サポート役こそ自己管理やケアが必要かもしれません。

応援したい人を輝かせるためにこそ、大切にしたいことがある……コミュニケーションジムのまさみっちーの物語が良いヒントになります。

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◆ ちょうどいい、週ごとの計画

「ちょっと相談があるのですが……」
最近のコミュジムには、問い合わせが増えています。

「では○日の○時から、zoomでお話ししましょう」
トレーナーのまさみっちーは、面談やサポートで予定が埋まりがち。
先月はその予定を詰めすぎてパンクしてしまいました。

(先月の記事はこちら)

「今週の予定は……」
月の初め、早めにオフィスに着いたまさみっちーはスケジュール帳を開きました。いつもならここで一ヶ月の予定と毎日のルーティーンを確認します。

今月からは先月の気付きを活かして、「週ごと」の計画も考えるようにしました。

「いっつもここで予定が狂ってるんやな」

◆ 人と話す楽しさの代償

スケジュール帳を見返しながら、気付いたことがありました。
面談や打ち合わせは、それ単体ではたいした負担になりません。しかし、話が盛り上がると、いろんなアイデアが浮かびます。

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「おもろそうやん!」「できそうっすね!」「やろうや!」

クライアントや友人を応援したい気持ちが勝って、いろんな空想がふくらむうちに、予定までふくらんでしまうのでした。

「これ以上は、来週か再来週に持っていこう」
予定や調子が崩れるパターンが見えたまさみっちーは、週ごとの計画を考えました。

余裕があるからといって予定を詰めると、楽しい空想の入り込む余地がなくなります。だから、まさみっちーは今まで以上にゆとりをもって予定を組むようにしました。

◆ ゆとりを持たせることへの不安

(でも、あんなに話が盛り上がったしな……)

余裕を持たせた計画に、まさみっちーは少し抵抗を感じていました。
応援したい相手の「やりたいこと」は、できれば早めに取り組みたいところです。余裕を持たせることは、実質的に遅らせることでもあるので、申し訳なさを感じました。

「ちょっとその案件、一旦保留しても大丈夫ですか?」
その一言を伝えればいいのですが、そこに遠慮が入ってしまいます。予定や体調が崩れるパターンには、気持ちの面も大きく影響していました。

いつもならここで「まあ自分が無理すればいいだけやしな」と思っていたかもしれません。しかし今月のまさみっちーは、ここが転換点だと気付きました。パソコンを開くと、早速クライアントへのメッセージを作りました。

「先日の案件について、少し時間をいただきたく……」
それでクライアントが気を悪くすることはないとわかっていても、気持ちは繊細です。ただ文章を書くだけなのに、新たな選択肢に進む感覚にまさみっちーはドキドキしました。

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◆ 先延ばしの思わぬ効果

「お忙しい中、お時間いただきましてありがとうございます」
「ベストコンディションでお世話になれる方が嬉しいです」
「自分を大切にする感覚、見習います」

自分の意志やペース配分を正直に伝えたところ、意外にも喜ばれることがありました。人に喜ばれるポイントは、「スピード感」だけではなかったのです。

丁寧に対応してもらえること。
誰も犠牲にならないこと。
一緒におもしろがってもらえること。

本来まさみっちーが大切にしたかったことは、クライアントや友人にとっても大切でした。

「本当のサポートって、やっぱココやんな!」
まさみっちーはコーヒーを淹れ、計画表を眺めながら一息つきました。ほんの少しのゆとりがあるだけで、タスクや計画に対する印象がガラッと変わりました。

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◆ エネルギーを注ぎたいこと

新たなお問い合わせへの対応と面談。
新規会員のガイダンス。
セミナーやトレーニングの準備。
毎週のコラムの執筆。

毎週毎週、スケジュール帳を確認しながら、まさみっちーは着実に予定をクリアしていきました。無理がない分、時間を有効に使えている実感があります。休憩を取り入れたり、出かけたりしても、罪悪感はありません。

「余裕のある感じが頼もしいですね」
「でも、会員向けのサービスをもっと充実させたいんですよね」
クライアントとの会話にもますます勢いが出てきました。

コミュニケーションもスケジュールも、目の前だけ見ている感覚が減りました。無理のない時間配分を考え、クライアントと共有・合意することで、かえって「相手のためにがんばりたい」という気持ちが強まってきました。

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◆ 本当の応援のカタチ

クライアントのためと思って予定を詰めることが、必ずしも最善とは限りません。余裕を持たせるからこそ満足度が高まる場合もあります。サポートやアシストをする立場だからといって、自分を犠牲にする必要はありません。

むしろ、「相手のため」を想うからこそ、自分を犠牲にしない感覚が大切です。相手に合わせて行動するにも、自己主張や合意形成は欠かせません。

「休みを取り入れた方が、逆にコミュニケーションの質は高まりますよ」

自分自身の経験を会員にもシェアしながら、まさみっちーはまた一つサポートの質を高めていくのでした。
(To be continued…)

(執筆責任:勉強を教えない塾福幸塾)



サポートがあると、自信と意欲にますます火がつきます。物語も人生も、一緒に楽しんでくださって、ありがとうございます。