「これから」を考え始めた人がたどり着く町、加美原町
◆ 地図には載らず、頭の中に残る「町」がある
人々の願望と想像が創り出した町、加美原町。
この町の住民は、深く話したり考えたりするのが好きだ。
今日も、考えを整理して、発想を広げる一日が始まる。
◆ 初めて訪れた人は、住民たちの「声かけ」に戸惑う
「今日は、どんな話がしたい?」
どんな話って……。
雑談ならいろいろ思いつくかもしれない。
でも、わざわざ「話したい」わけでもない。
改めて「何が話したい?」と聞かれると、人は一瞬立ち止まる。
人の会話のほとんどは、思いつきなのだ。
じゃあ、自分が本当に「話したい」ことって、何だろう?
◆ それでもここには、安心して話せる文化がある
「これから」を考え始めた人が、感覚を言葉にできないのは当たり前。
みんなわかっているから、言葉にしやすいようにサポートしてくれる。
ある住民は、参考になる意見を聞かせてくれる。
「僕なら、最近『コミュニケーション』について話したいかな」
「私は、自分で『ビジネス』を立ち上げられないか考えているの」
ある住民は、質問を工夫して話しやすいようにしてくれる。
「何か、頭の中でグルグルしてるものはありませんか?」
「いつ頃までに、見通しを立てたい、とかありますか?」
意見を聞いたり、質問を考えたりするうちに、言葉はまとまってくる。
「どうやら、自分はこんなことを考えたいみたいです」
◆ 不安の先に、名案がある
安心して話せると、新しいアイデアや行動が見えてくる。
そもそも、思考と対話に制限はない。
こんなことを考えてる自分はダメなのかな?
こんなことを言ったらどう思われるだろう?
誰にもわかってもらえないんじゃないか?
そういう不安を乗り越えた先で、名案が見つかる。
この町の住民は、それを理解している。
不安の谷を越えた先に、名案の原野が広がっている。
◆ 次に訪れる時には、見える景色が変わっているだろう
町から出る頃には、何か一つアイデアが見つかっているはず。
そこから戻った日常は、いつもと違って見えるだろう。
そうして日常という名の人生は彩られていく。
次にまたこの町を訪れる時には、まったく新しい景色が見られるだろう。
訪れるたび変わる景色があるから、その町は何度でも訪れてみたくなる。
今度訪ねてくる時には、きっとあなたも自分に問うだろう。
「さあ今日は、何の話をしよう?」ってね。
(To be continued...)
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