似ているが真逆の心理状況になる相場の値動き
この記事では動きが非常に似ているにも関わらず、真逆の心理状況になる相場の値動きについて書いていこうかなと思います。
実は相場では値動きが似ていても真逆の心理状況になる動きというのがたくさんあります。
ローソク足に関しても、チャートパターンに関しても状況によっては投資家の心理状況が真逆になることが多々あります。今回は初心者にも分かりやすいようにチャートパターンを例に説明していこうかなと思います。
例えばこの動きを見て皆さんはどのような心理状況になりますか?
重要な水平線でしっかりと高値を抑えられているものの、安値はどんどん切り上がっています。
これはアセンディングトライアングルといって中級者以上なら誰もが知っていると思いますが、このような値動きの時はどういう心理状況になりますか?
点線の部分が見えなくても、おそらくほとんどの方が「買いの勢いが強いのでいずれは水平線をブレイクしていくだろう」ということは簡単に想像がつくと思います。
まさにその通りです。
ではこの動きはどうでしょうか?
これはウェッジと呼ばれるものです。形は先程のアセンディングトライアングルと似ていますが、アセンディングトライアングルと違い、わずかに高値も切り上がっていくのが特徴です。
このような値動きの時皆さんはどういう心理状況になりますか?
点線の部分が見えない状況だったら、おそらく皆さんがポジションを持っていない場合の分析だとダウ理論的にも高値切り上げ安値切り上げで上昇トレンドの定義なので、『このままロングでいいんじゃないか』と思われる方も多いのではないでしょうか?しかし待ってください。
仮にこの時に皆さんがポジションを既に持っていた場合はどんな心理状況になるかも考えてみてください。
皆さんが仮にポジションを持っていた場合は利確する絶好のタイミングを見計らっているのでこのような値動きの時はポジションを手仕舞いしたくなる心理状況になるのです。
なぜなら安値を一生懸命切り上げているにも関わらず、高値の切り上げ幅が小さいからです。つまりトレンドが失速してきていると感じるからです。
厄介なことにこの心理状況の違いというのは実際に自分がポジションを持っていない場合はなかなか気づきにくいものなのです。
これはローソク足に関しても同じです。
例えばこのような場合
このように高値圏で物凄く重要な水平ラインをローソク足が大陽線でブレイクしたとします。
このような場合、仮に皆さんがポジションを持っていない場合、つまりエントリーのタイミングを狙っていた場合はどういう心理状況になりますか?
おそらく初心者の方だと『重要なラインをブレイクしたし、しかも大陽線だから勢いも強いのでロングでエントリーだ』となる方もいるのではないでしょうか?しかし待ってください。
仮にこの時に皆さんがポジションを既に持っていた場合はどんな心理状況になるかも考えてみてください。
皆さんが仮にポジションを持っていた場合は利確する絶好のタイミングを見計らっているのでこのような高値圏の重要な水平ラインでは既にポジションを手仕舞いする準備状態に入っているのです、あとはどのタイミングで利確すれば最も利益が得られるかということばかり考えている状態で決済ボタンに指がかかっているような状態です。そして中級者以上の方はこういう重要な水平ラインには多くの敗者の損切注文があることも知っていますし、その損切注文を巻き込んで最後の大陽線が出る可能性があることも知っています。決済直前だけど少しでも多く利益を出したいそんな心理状態の時に最後の大陽線が出てくれたらここぞとばかりに『よし今だ!』と決済してくるでしょう。
するとどうなるか重要なラインの敗者の損切注文を巻き込んで一時的に大陽線が出るものの、それは最後の大陽線となるので、ラインブレイクの大陽線で新規でロングエントリーした人はダマシもしくは高値掴みとなります。
確かに大陽線は買いの勢いが強いことを示唆しているローソク足ですが、このように状況によっては全く逆の心理状況になってしまうのです。
このようにローソク足に関しても、チャートパターンに関しても状況によっては投資家の心理状況が真逆になるのです。
厄介なことにこの真逆の心理状況というのは実際に自分がポジションを持っていない場合は意外と気づきにくいものです。
こういう状況を回避する方法はエントリーする前に自分が既にポジションを持っているとイメージをして自分ならどう行動するかを考える、仮にもし利確しようとするタイミングだったとしたら、エントリーするのは辞めた方がいいでしょう。