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低周波音発生源の見つけ方

稀なケースですが、低周波音発生源が見つからず、被害者が泣き寝入りさせられるケースがあります。

総務省所管の公害等調整委員会のHPにて、「低周波音発生源の見つけ方」に関する三人の専門家のレポートがありましたので、該当箇所転載いたします。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000520253.pdf

3.2 低周波音発生源の見つけ方
低周波音が問題になっていて、発生源が不明の場合、発生源を見つける一般的な手順を示します。
(1) 事前の調査
・不快感あるいはがたつきの発生する時間帯は何時頃か、どちらの方向が強く感じるか、聞き取りを行います。
例えば、月曜日から金曜日に毎朝、早朝5時ころ、玄関の前で低周波音を大きく感じるなどです。
・周辺地域に低周波音発生の可能性のある工場、施設等(各種プラント、発電所、ごみ焼却場、工事現場、空港、港など)はないか地域の地図等で調べます。
例えば、玄関の正面方向、500 m くらい離れたところにごみ焼却場(ボイラー、コンプレッサー、送風機などの設備機器があります)があるなどです。
(2) 測定と調査
・問題になっている民家(心身苦情は室内、がたつき苦情は屋外)で低周波音のデータを採取、周波数分析を行います。例えば、80 Hz に卓越成分があるなどです。
・民家の周辺で格子状(民家周辺の道路交点、工場構内の道路交点など)に低周波音のデータを採取し、周波数分析を行います。
・各点の周波数特性を比較し、発生源の方向を少しずつ絞りこんでいきます。
例えば、玄関前の道路上のデータに 80 Hz の卓越成分があり、他の地点より音圧レベルが大きいなどです。この場合、玄関の前方向に発生源が存在する可能性が大きいと推定されます。

・絞り込まれた発生源機器近傍と民家の周波数特性を比較、可能な場合は機器の稼動・停止を行い、両地点の対応関係(卓越周波数の一致、影響の割合など)を確認します。
なお、専門的になりますが、卓越周波数が明確な場合は2本のマイクロホンを用いて位
相差(後述)により音源を探査する方法もあります。また、希ですが、低周波音の音圧レベルが小さく、卓越成分が見られない場合など、発生源の特定が難しいこともあります

https://www.soumu.go.jp/main_content/000520253.pdf

7.4 発生源不明の場合の対応
周囲に発生源が見当たらず、発生源不明の場合には、申立者が低周波音を感じる時間帯と感じない時間帯、あるいは感じる部屋と感じない部屋で測定された複数の 1/3 オクターブバンド音圧レベルの測定結果を比較します。申立者が低周波音を感じるときの測定結果に何らかの共通した特徴があり、参照値を上回っていれば、その周波数の低周波音が問題である可能性があります。両者の結果に差がない場合や、特徴がなければ、それ以上の判断はできません。問題の原因が低周波音ではなく 100 Hz 以上の騒音の場合もありますから、念のため申立者に苦情の状況を再度確認してみてください。問題の糸口が見出せない場合には、その旨を説明して納得していただくしかないでしょう。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000520253.pdf

5.2 発生源が不明の場合
発生源がたくさんあって問題となる発生源側がわからない場合には、発生源の近傍と申立者宅の屋外で同時に測定し、周波数的な特徴や稼働状況を元に、発生源を絞り込んでいきます。
周囲に発生源が見当たらず、発生源不明の場合には、申立者が低周波音を感じる場合と感じない場合が含まれるような時間帯に何回か測定します。

発生源が見つけにくい場合は、公害審査会の調停ではなく、原因裁定を先行させることが現実的です。原因特定してから責任裁定、刑事告発、取引銀行に対する利益相反対応要請、訴訟という手段が考えられます。
知ったかぶりしないで弁護士さんに相談した方がいいでしょう。

公害等調整委員会の紹介
https://www.soumu.go.jp/kouchoi/

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