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燃料商社の「サプライチェーンマネージメント」からわかること

石油、ガス等を取扱う、大手輸入商社(ガスヒートポンプ燃料を取扱う商社)として知られる伊藤忠のHPから分析します。

https://www.itochu.co.jp/ja/csr/society/value_chain/policy/index.html

方針・基本的な考え方
サプライチェーン

サプライチェーン・サステナビリティ行動指針
伊藤忠商事は「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を定め、サプライヤーに対して伊藤忠商事の考え方を伝え、以下に定める項目への理解と実践を期待し、働きかけていきます。

従業員の人権を尊重し、差別・各種ハラスメント・体罰を含む虐待等の非人道的な扱いを行わない。
従業員に強制労働・児童労働を行わせない。また、最低就業年齢に満たない児童を雇用しない。
雇用における性別、人種、宗教等による差別を行わない。
法定最低賃金を遵守すると共に、生活賃金以上の支払いに努める。不当な賃金の減額を行わない。
労働条件・労働環境等に関して労使間の円滑な協議を図るため従業員の団結権及び団体交渉権を尊重する。
法定限度を遵守すると共に、従業員の労働時間・休日・休暇を適切に管理し、過度な時間外労働を禁止する。
従業員に対して安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供に努める。
事業活動において、地域社会と生物多様性・環境汚染・その他環境問題への影響に配慮し、エネルギー・水・その他資源の使用量、及び温室効果ガス・廃棄物の排出量の削減に努める。
関係法令及び国際的なルールを遵守し、利益相反・反競争的慣行の防止を含めた公正な取引及び腐敗防止を徹底する。
上記の各項目に関する情報の適時・適切な開示を行う。
2009年4月制定
2024年5月改訂

事業活動において、地域社会と生物多様性・環境汚染・その他環境問題への影響に配慮
関係法令及び国際的なルールを遵守
利益相反・反競争的慣行の防止を含めた公正な取引及び腐敗防止を徹底

という字句がるため、燃料商社が供給する燃料により公害等発生した場合、燃料商社として対応すると解釈できそうです。

一応、環境方針、環境マネジメントも制定されています。

環境方針
https://www.itochu.co.jp/ja/csr/environment/policy/index.html

環境マネジメント
https://www.itochu.co.jp/ja/csr/environment/management/index.html


コンプライアンス事案への対応も明文化されていますので、燃料供給を受ける事業者が、公害等放置した場合、「サプライチェーンマネジメント」を根拠に、公害発生企業に対する燃料供給停止を要請することが考えられます。

実際には、弁護士に作成した文書等提出いただき、燃料商社の顧問弁護士と対応いただくことを想定します。

https://www.itochu.co.jp/ja/about/governance_compliance/compliance/index.html#violation

コンプライアンス事案(違反事例)への対応
伊藤忠商事の各組織、海外拠点及びコンプライアンス管理対象会社において、腐敗防止をはじめとする法令・社内ルール違反等が発覚、または、違反発生のリスクがあると判断された場合、所定の基準・手続に従い、当該組織のコンプライアンス責任者が中心となり、内部調査・原因究明・再発防止策等の事案対応に当たります。コンプライアンス関連事案については、発覚から事案対応の終了報告までコンプライアンス室を通じて、CAOに報告されます。

また全社的な見地から検討を要する重大なコンプライアンス事案については、CAOの指示、又はコンプライアンス室からの要請に基づき必要な調査が実施され、実態解明を行い、社内規程に照らして適切な処分を行います。

贈賄を含む法令違反等に関与した役職員については、社内処分の要否を各社の社内規程(就業規則等)に照らし検証し、また必要に応じて社内外の関係部署・専門家との相談・協議等を経た上で、社内規程に定められた基準・手続に従い適切な処分を行います。

伊藤忠商事では、外部関係者等への対応・報告・公表の要否を検討の上、必要に応じて適切な対応を実施しています。

なお、伊藤忠商事では、2023年度は対外的な開示が必要とされる重大なコンプライアンス違反(顧客の個人情報取扱に関連する事案を含む)はありませんでした。

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