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夏の 北アルプス 信仰巡り(後編)
ということで前編に引き続き 富山から湯田中まで移動する始終を書いていこうと思う.
全体の旅程をおさらいすると,
旅程
8/16
夜にバスタ新宿から名古屋に向かう
8/17
名古屋着 新快速 と特急ひだ で飛騨高山へ
宗教団体「崇教真光」の光ミュージアムを見学後,
鈍行で富山に向かう
↓後編はここから
8/18
富山地鉄に乗って,「まんだら遊苑」へ
そのあとは長野までひたすら鈍行(のつもりが ここでハプニング発生)
8/19
長野駅から長野電鉄に乗って湯田中駅着
サークル同期のお父様の車に乗せてもらい合宿所へ
まんだら遊苑の前に富山地鉄
まんだら遊苑までの道のり
まんだら遊苑までは富山地方電鉄で行く.最寄り駅は千垣
まず南富山駅に行く.そのあと富山地鉄 不二越・上滝線に乗り,岩峅寺で立山線に乗り換えて千垣で下車 という流れ
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サイボーグ特急 登場
なんと ここで奇跡が起こる
こいつが現れた. 明らかに格が違う特急車両だが普通として運用しているらしい.何も調べずに行ったのでマジでラッキーだった.
キメラのような車両で,車体は 元西武5000系 「レッドアロー」から譲渡されたものを使っているが,それ以外の主要機器に関しては 色々なところから流用して運転しているという.
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(これはもとは友人の反サロ論者に教えてもらった)
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この橋は何のためにあるのだろう…?
まんだら遊苑 いざ!立山信仰の世界へ!
まんだら遊苑に潜入する.スーツケースを持ちながら入るのは観覧しづらいだろうということで,受付のおばさんがスーツケースを預かってくれることになった.優しい
ということで心置きなく立山信仰を五感で楽しませてもらおうじゃないか…
写真でいろいろ紹介する前に まんだら遊苑の構造を説明したい.
まんだら遊苑は、「立山曼荼羅」の世界を幾何学的にかつ抽象的に表現したもので、
「地界」・「陽の道」・「天界」・「闇の道」の4つのゾーンで構成されており、
想念の世界を五感で体験する場となっています。
ディズニーランドが7つのテーマランドから構成されているように,まんだら遊苑は4つのゾーンから構成されている.
「地界」・「陽の道」・「天界」・「闇の道」を順番に巡る.
それぞれ見ていこう.
地界
地界とは、地獄のことです。まんだら遊苑では、地獄の世界は異次元の世界ではなく、現実の世界つまり俗世と表裏を成す非常に近い、生々しい関係であるという観点から、地界を地下に埋設せずに、地上に表現しています。
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先端の鐘は現世復帰への救済の鐘
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陽の道
地界を抜け出ると立山の自然に迎えられ、天界へ向かう陽の道がはじまります。陽の道には「水辺の道」と「立山登山の道」の2つのコースがあります。地界側に常願寺川、天界側に立山山麓を望み、両側を立山杉、広葉樹林に囲まれた細長い神秘的な風景が広がります。
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立山連峰の雄大な峰を登っていくイメージ
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生物学的には極相になると陰樹が卓越するが,こういう開けたところに陽樹が芽生える
天界
浄土路である陽の道を経て、たどり着く世界が天界です。須弥山思想、禅定者のめざす悟りの世界である色界、無色界と、我々凡夫が到達できるという極楽浄土の世界、そして精神世界を象徴する芸術、この3つの概念、あるいは表現で、想像の世界である天界を構成しています。
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個人的にはフォーレのレクイエムっぽい雰囲気だった.
闇の道
天界を出て現実の世界へ回帰する道が闇の道です。立山曼荼羅における闇の道の位置付けは布橋灌頂会であり、立山登拝の擬似体験となっています。また立山の修験道のように身体を酷使する行と胎内復帰の場でもあります。
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人間はうまれてくるとき母親のお腹の中から膣を経由してでてくるのとパラレルである.闇の道から 現世にでてきてしまったら,どんな親,環境であろうと その生を引き受けていくしかないのである.
これは
自分の娘を亡くしてしまった母親が 失意のなか 次々に攻撃してくる管をサバイブしていくという不条理な設定.そのさなか 彼女は娘を再会する …
まあそういう意味不明なプロットの映画ですが,(前衛的すぎて 正直よくわからなかったけど) あとで解説を見たらTUBEとは 胎内のメタファーという意見があった.
TUBEはフランスの映画だけど,生まれる前に何かしらの闇の道(映画の場合は先述の管)を通っていくという観念は洋の東西を問わないものなのかもしれませんね
俗世に戻って ラーメン食べたり
ご当地ラーメン 富山ブラック
闇の道を通って再びこの世に生を受けたので,精一杯それを享受しないとね
まずは手始めに俗っぽい料理の代表格 「ラーメン」でも食いに行こうと思います.
肉体労働者や若者が効率よく塩分摂取できるように ラーメンを濃くしていった成れの果てが 富山ブラックというご当地ラーメンらしい.非常にこい醤油ラーメンは ごはんと一緒に食べるのがセオリー.もはやおかず.
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富山環水公園へ
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長野まで鈍行で移動…のつもりが…
北陸本線,信越本線のキラキラ後継者
次の日から長野県の某所でサークルの合宿があるので,今日のうちに長野駅まで鈍行で移動する.具体的には北陸新幹線という死神によって分割されてしまった旧北陸本線の あいの風とやま鉄道,えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインと 旧信越本線の しなの鉄道北しなの線を乗り継いて長野まで行く.
ちなみに乗る際は現金で切符買うしかありません(これが後々問題を起こす)
(小言なんですが 旧北陸本線のキラキラネームは正気なんですかね)
直江津に寄ることになるが,ここは春の日本海旅行のときにも使った駅なので,今回は別方向から行くことになり非常に楽しみ.
なんだろう… connecting dots される感覚…? わかります?
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泊から先に行けない…? ハプニング発生
定刻通り521系 泊行きは動き出します.
ここでひとつ車内で まずいことに気づいてしまいました.
当初の予定では,泊(運転系統上,実質的にあいの風とやま鉄道と日本海ひすいラインの境界駅になっている)で下車して,直江津行きの切符を買おうとしていました.
切符は現金で買わなければなりません.所持金は800円.一方 泊から直江津まで行くのにかかる金は1550円です. あ,死んだ
対策を考えます.幸いすぐに思いつきました.クレジットカードのキャッシング機能を使って泊のコンビニで現金をつくればいいんですね.
さあ,そうしましょう.泊で降りて,そのまま一本気動車を逃して,泊のセブンイレブンにキャッシングで下ろしに行きました.
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なんとキャッシングサービスを受けるためには 事前に審査が必要だとコンビニのATMが無情にも告げてきます.つまり自分の現金所持金で泊を脱出することは不可能なのです.しかし,ホテルはもう長野で予約していて返金できません.
僕は心の中でつぶやきました…
「とうとうやるしかないのか アレ(最終手段)を…」
僕はおもむろに カバンをあさり,所属する合唱サークルのキャッシュカードを取り出します.実は サークルで会計担当を務めており キャッシュカードを常に持ち歩いています.これが吉と出ました.
…流石にやってません 嘘です.卓越した倫理観の会計がこんなことやりませんよ
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その後 軽いパニックになりましたが,なんとか希望の活路を見出しました.
直江津より前にある駅,糸魚川までは 760円 ギリ払うことができる金額です.そこまで まず現金で行く.糸魚川には北陸新幹線が通っていますし,JRなのでみどりの窓口でクレジットカード決済が可能です.そして新幹線で長野まで行くという計画です.
個人的には鈍行に乗って行くほうが安くて風情があるし,先述したように春休みの日本海旅行とconnecting dotsすることができて良かったのですが,横領バージンを守るためには しょうがないです.
というわけで なけなしの金を持ってチケットを買います.
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親不知海岸は険しいので特異な高速道路が登場します
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これのために一回 北陸自動車道を運転してみたい
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真ん中が窪んでいるでしょう?これは糸魚川 静岡構造線です(受け売り)
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泊で1時間ロスしたのに だいたい予定時刻くらいに長野到着するというバグぶり
長野到着
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今日はいろいろ濃かったので寝る.次章は翌朝から
サークル合宿へ!
その前に観光
善光寺はマストでいかないと.牛に引かれてなんとやら…
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ロマンスカーで湯田中へ
権堂駅から湯田中に向かいます.長電には2つの特急車両があり,ひとつは成田エクスプレスで使われていた車両(253系),もうひとつが 元 小田急ロマンスカーの車両(小田急10000系)です.
去年 湯田中にいったときは前者のほうに乗ったので,今年は後者です.
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この車両は小田急ロマンスカーの代表的な車両で,運転席が2階にあり,前面展望が一面に楽しめる特等席があるのが特徴的です.
今回は予約を早期にしていたので,なんと一番前の特等席を取ることができました!
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お目当ての10000系登場
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ちなみに千曲川をわたっています(新潟に入ると信濃川になるやつ)
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湯田中駅から合宿先のホテルには長野電鉄のバスがでているのですが,1000円もかかる.
偶然にも長野出身のサークルの同期の人が自動車で来るとのことだったので,一緒に乗せてもらうことにしました.
彼女のお父さんに この旅行の顛末を話したところ,君は鉄ちゃんだ ,そう言われました.本来の目的は宗教施設巡りなんですけどね…
最後まで お読みいただきありがとうございます!
頑張って書きました!
チップくれると 今後も同じような紀行文を書くモチベになるかもしれないです(圧)