訳者が読み解く『奴隷たちの秘密の薬』#1 並河葉子〈新大陸の奴隷制について──「作られた黒人性」と自由の相対化──〉
科学史家ロンダ・シービンガー著『奴隷たちの秘密の薬 ──18世紀大西洋世界の医療と無知学』が2024年9月に工作舎から刊行されました。これで単著5冊すべてが翻訳され、シービンガーの仕事の全体像をご紹介できることを喜ばしく思います。第1作『科学史から消された女性たち』以来、継続して訳を手がけてこられた小川眞里子先生をはじめ、これまでの訳者の方々に感謝いたします。
刊行を記念して、『奴隷たちの秘密の薬』巻末に収めた「訳者解題」を2回に分けて全文公開します。1回目は、イギリス帝国史