鍵を失くして途方にくれる/「2.5次元の誘惑」:174話最後の文化祭/「ぼっち・ざ・ろっく」7巻:ギター侍登場/「冥冥冥色聖域」3巻:月夜のゴミの美しさは偽物か

10月26日(土)曇り

昨夜は帰りがけに鍵がないことに気づき、仕事場を隅から隅まで探して駐車場と仕事場の間の道を何往復もし、万策尽きて警察に電話したが届いてないということで、車にも乗れず家にも入れず食べる予定だったご飯も食べられないという大変困った事態になって、仕方ないので午前0時ごろにファミリーマートでチキンカツ弁当を買い、仕事場で食べようと思ったがいまいち食欲がない。当たれるところと言えばあと駐車場を管理している不動産屋さんくらいかなと思ったが流石にその時間では翌日にするしかないので、もう一度探してみることにした。

失くしたことに気づいた時に一度易を立てて、職場内にはどうもないということ、警察にはあるかもしれない、出てくるかと言えば苦労の末に出てくるかも、みたいな卦だったので困ったなと思いつつ、もう一度探そうと思って鍵が今どの方角にあるか、という質問で易を立ててみた。

すると天風「女后」(女偏に后でコウと読む字)の四爻。「天」は方角としての意味は「北西」で、「風」は「南東」という意味だから一直線になり、四は六段階の真ん中より一つ上だから、意味としては「北西方向に僅かの距離」ということになると判断し、もう一度探してみたら、詳細は書かないがパッとみてわかるところに誰かが鍵を置いてくれてあり、発見することができて、ものすごくホッとした。

昔から割と易を立てると当たる、ないし参考になることは多いのだが、やはり真剣度が高いと的中率も上がるし卦の解釈も冴えるということなのかなと思った。このまま家にも帰れず車にも乗れず、朝になって鍵屋さんに連絡して(それもスマホで調べるしかないわけだが)来てもらって鍵を開ける(以前東京で深夜にやったことはあるが、40分くらい到着にかかって数万円費用を要したのでそれも気が重い、田舎だと松本や甲府などの遠方から来ることになるかもしれないから出張費を含めれば一体いくらかかるか)しかないかと途方に暮れていたので、鍵が見つかって車で家に帰れて、家でご飯を食べて布団で寝られるということがものすごくありがたく感じた。まあ食べる予定だったものは翌日まわしになってチキンカツを食べることになったがまあもう贅沢は言えない。当たり前のことが当たり前にできるありがたさというものはこういうことがあって初めて自覚させられるのだよなと思った。警察にありましたと電話したら応対に出た女性警察官が「良かったですね」と本当に「良かったですね」という感じで言ってくれたのですごく良かったですね。

もう0時を回っていたのでついジャンプラで「2.5次元の誘惑(リリサ)」の更新を読んでしまったが、これもとても良かった。なんとなくスイカゲームをしたりして気がついたら2時を過ぎ、寝落ちしかかっていたのでそのまま着替えて寝たのだが、夜中に何度も足が痙攣し、入浴して体を温めて鎮めたりしながら、取りあえず6時半くらいまでは寝られた。鍵束にはGPSをつけておこうと真剣に思った。


「2.5次元の誘惑(リリサ)」174話「最後の文化祭」(ネタバレ感想です)。リリサがコスプレをしていて将来もコスプレ屋さんをしていきたい、と考えていることが親バレし、衣装も捨てられたかもしれない、という事態が発覚。漫研で2、3年生と先生の前で事情を説明する中、文化祭でリリサの本気を見せてお母さんを説得しよう、という話になる一方、生徒会ではサイドのコスプレ喫茶にチャレンジすることになり、また漫研に協力を求める、という話が進む。ある種の修羅場回ではあったが、生身の女性を意識するようになって近づけなくなっていた奥村がまり姉とリリサの間に座ってリリサに「説得できないかな」と話しかけるところ、奥村が変わってもリリサとの本来の関係性は変わらないのだなと思うとじんわりするところがあった。

今回はシリアスだったがリリサにとっては乗り越えるべき壁という感じなので、なるほどと思う少年マンガの王道展開で、この作品は安定感が抜群だなと改めて思った。もちろん瀧会長の再度のコスプレも大変楽しみではある。


昨日母を病院に連れて行った帰りに平安堂で買った「ぼっち・ざ・ろっく」7巻。読了したがとても良かった。もうガールズバンドものは「ふつうの軽音部」が至高かなと思っていたが、ぼざろも全く捨て難い。この作品はアニメが流行して後追いでアニメを見てから原作マンガを読むという順番で接していたのだが、全くアニメをリアタイで全部追えなかったことを後悔している作品ではある。

以下ネタバレです。ぼざろの魅力は私にとっては基本的にぼっちちゃん(後藤ひとり)のコミュ障ゆえの奇矯な行動とか、本来持っているであろう独特のセンスなのだが、今回もそれが爆発しただけでなく、同じコミュ障の作曲家・Ameさんへの熱いメッセージが炸裂したのが良かった。

この作品は学園ものでもあるのだが修学旅行編とかは正直たるいなと思って読み始めたのだがめちゃくちゃ面白かった。まず孤立することを最初から予想してギターを持っていくという行動が爆笑なのだが、清水寺近くの和服レンタルで喜多さんと佐々木さんがかわいい和装をする中、ぼっちはなぜか新撰組のコスプレをして、喜多さんたちが呆れて「そこで休んでて!」という中でぼっちは二本差しでギターの「練習」を始め、外国人観光客に「ギター侍だ!」と大人気になる展開には笑ってしまった。

インディーズデビュー作品のMVの撮影とか、そこで親しく?なったAmeさんとのやりとりとか、そのユニットの「クリムトの夜」のボーカルのワラビさんの髪いろがほぼ753♡だとか見所はたくさんあったが、レコ発ライブでぼっちが見つけたAmeの古い曲、良い曲なのだが辛いことがあっておそらくはAmeが自分自身で取り上げ無くなった「カメレオン」を演奏する場面がとてもよく、「君が作った曲は素敵だよ」と一言伝えたかった、言葉で伝えるのは苦手だから演奏した、とぼっちがMCする場面は本当によかった。先がいっそう楽しみになった。


「冥冥冥色聖域(サンクチュアリ)」3巻。これはアフタヌーン連載でずっと読んでいるのだが、「メイドリフレ(メイドのコスプレをした施術者がハンドリフレを施す)」でバイトをするペロ(萌々)とスタッフや客たちとの話なのだけど、なんというか言葉で説明するのは難しいのだけど、心にジンとくるところがある。それぞれのスタッフや客たちの心の居場所、ということだろうか。そしてそれは常に脆い。その脆さが主人公に降りかかってくる、これもまた親バレ話なのだが、3巻以後の展開はアフタヌーンで読んで知ってるとはいえ、3巻は辛い展開の部分である。

この作品はストーリーも良いが絵柄がとても好きで、場面的にそんなに美しくないはずの場面までが美しいのがなんとも言えない。雀鬼・桜井章一の言葉で「夜、月に照らされて見るとゴミもとても美しく見える、でもそれは本当はゴミなんだよ」という言葉があったが、そのゴミの美しい側面、美しい描き方みたいなものがとても上手いということだろうか。ゴミに見えるけど本当はとても大事なものかもしれない、そういう描き方もまたあるのだよなと思う。

ちなみにアフタヌーン12月号掲載の第18話は副題が「酔生夢死」なのだが、実はこのメイドリフレの店名が「彗星蟲(コメット・バグ)」という名で、これを漢字読みすると、という指摘をTwitterで見て、めちゃくちゃすごいと思った。こういうセンスは素晴らしいと思う。


書いているうちにようやく落ち着いてきたかも。やはりものを書くということ自体が、自分には心を安らかにする大事な過程だなと改めて思う。

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kous37
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