現代国際政治の舞台としてのアフリカと太平洋諸国/日本が世界をよりよくする方針=世界戦略を持つために
4月17日(月)曇り
昨日は特急で上京し、東京駅でお昼を買って丸善で本を見てから帰宅。アフリカ関係の本を何か買いたいという感じはあったのだが、ちょうどスーダンのところがなかったので買わなかった。家に帰ってから、一冊くらいはアフリカ関係の本があるかと思って探したのだが、1冊もない。実家に多分新書のものが1冊あるとは思うのだが、それにしても貧弱なラインアップだ。
私は基本的にいろいろなことに興味がある人間だけど、西洋史を専攻してまずはヨーロッパから、と思っていたし子どものころから興味があった中国やシルクロード→イスラム世界などは読んではいたのだが、やはり世界史的にどの地域のことも一通りは知っている、というわけではない。東南アジアやオセアニア、ラテンアメリカなどもほとんど知らないけれども、実際のところはアメリカも宗教右派の流れとか最近読むようになったばかりで、実際にはよく知らないことも多い。
しかしその中でも最も知らないのはやはりアフリカだなと思うし、しかし現在の世界では国連加盟国が一番多いのもアフリカなので、世界のことを考えるためにはアフリカを知らないといけないということはあるなと思う。
アフリカというのはまさに現代国際政治の舞台という感じで、逆に言えば歴史屋の出番が少なそうなところだという印象があるわけだけど、どんな世界も過去の歴史の上に現在があるわけだから、可能な限り歴史を知っておいた方が地域の実情を知るには役に立つ、という面はあるだろう。
現在国際政治の舞台、ということは、つまりはアフリカ、それにたとえば太平洋諸国は現代世界の矛盾が一番投影されているところということになる。もちろん北朝鮮には北朝鮮の、インドにはインドの、フィリピンにはフィリピンの、南米には南米の、パレスチナにはパレスチナの問題があるわけだが、国連外交の大きな部分を占めるアフリカと、日本周辺で安全保障にも関わる太平洋諸国の問題はまず大きなことではないかと思う。それが、アフリカはウクライナ戦争後もロシアと関係を深め、太平洋諸国には中国が進出しているというのが現状であり、日本は『西側』のメンバーとしてこれらの国々との関係性をもっと重視して行かないといけないが、だんだん先人たちが築いてきた貴重な地歩を失いつつある感じがある。
結局、これらの「南側」の国々がロシアや中国に近づくということは、「西側」が彼らに示している問題解決の処方箋が彼らの現状に合わないということが大きいのだろうと思う。日本が国力の大きかった時代に様々に関係して行った地域との関係は、良好だったところもほとんど失敗に終わったところもあるとは思うが、日本の国益というだけではなく世界の安定のために何ができるかの全体像を持った外交方針を持つべきだと思う。
西側諸国は彼らの進歩史観とキリスト教的なミッション=使命の精神でそれらの諸国に対している面が大きいと思うし、日本も彼らの定めた国際秩序の枠内で行動した方がいいと思うけれども、それぞれの地域の問題がより小さくなる形での解決が図れるようになるために、日本だからできること、みたいなのがある地域は少なくないだろうと思う。
それらの国々が西側に対して「引いている」のは、西側の行き過ぎたリベラリズムやフェミニズム、トランスジェンダリズムなどが彼らの社会を破壊するという警戒感が最も強いのではないかと思うし、これは日本においてもそうだろう。ロシアや中国はそれをはなから無視して行動しているところに彼らはある程度の安心感みたいなものを持って付き合えるところがあるのではないかと思う。
しかし、とりあえずはもっと世界を知っていくことが世界をよりよくするための方針、つまりは日本の世界戦略にとっての第一歩なので、まずは世界についてのより理解しやすい情報が使えるようになるとよいなあと思う。現在の問題意識はそんなところだろうか。