田中空「タテの国」をジャンププラスで読んだ。
10月14日(金)曇り
天気がはっきりしない日が続く。気温は少しずつ下がっているが、寒いのか寒くないのかわからない感じ。つい先日まで暑くて仕方なかったのが嘘みたいだ。9月分の電気代が結構かかってこれは冷房をかなり入れていたせいなのだが、もう朝夕は暖房を入れているので電気代の請求を見たときに高い理由がわからなくて戸惑った。
読もうと思って読めていなかったジャンプ+の田中空「タテの国」を読んだ。全120話だから単行本になったら12巻くらいだろうか。SF超大作という言葉がふさわしいと思った。量子力学とか相対性理論とかが普通に出てくる作品は久しぶりに読んだ。しかし絵柄は昔懐かしいシンプルな、それでいて暖かい線で描かれていて、縦スクロールの良さがすごく表れているなんというか非の打ちどころのない作品なのだが、単行本化はなされる可能性が少ないようだ。作品としては連載当時から結構地味な扱いで、気が付いた人にだけ熱狂的な支持がつく感じの作品だが、縦スクロールを生かした形での単行本が出るといいなとは思う。やはり紙で読みたいなとは思うので。
テーマは、世界とは何か、こころとは何か、みたいなことだと言えるだろうな。そして仲間とは、トライするとはみたいなジャンプらしい熱い部分もすごくいい。この作品をなぜジャンププラス側があまりフィーチャーしないのか、そのあたりが疑問なのだが、SFの新作に飢えている人がいたら絶対おすすめの作品だと思う。私もずっとSFは読んでなかったのだが、久しぶりにこの世界を味わった感じがする。
書きながら思い出してきたが、世界観としては弐瓶勉さんの作品に似ていると思う。特に「バイオメガ」だろうか。あとは、同じでありながら違うヒロインと何度も出会う展開は「シドニアの騎士」にも似ていると思った。そういえば最近読んでるSFは弐瓶作品ばかりだったが、「シドニアの騎士」「人形の国」が終わってからは少しご無沙汰だったし特に宇宙空間や無限の人工構築物が出てくるのは「BLAME!」など以前の弐瓶作品以来かなと思う。
ニヒルでクールな部分の強いこの時期の弐瓶作品に比べ、絵柄もとぼけていて和む感じであり、宮崎駿「天空の城ラピュタ」の「空から降ってきた少女」のイメージもまた無限展開されていて、日本のSF作品が展開してきた歴史をなぞっているような感じもあった。
現在田中空さんはジャンププラスで「ドラゴンの子」を連載中。こちらも面白いので今後の展開を期待したい。
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