ウクライナのクルスク侵攻の意図/ハマス指導者暗殺をめぐるトルコの対イスラエルの動き
8月12日(月)晴れ
昨日はお休みの初日。客人たちは松本の方へ出かけ、私は家でいろいろやっていたが、なかなかペースが出ずに苦労した。ネット関係をいじろうとするとパスワードとかそういうのがすぐ立ちはだかるのだが、きちんと一度どのサービスにどのパスワードを使っているのか整理したほうがいいなと思ったり。時間がある時しかできないから今日あたりやろうかなとか。日中は暑くて外の作業もできないし、屋内作業も2回などは無理だから、そういう感じのことをやるのにはちょうどいいかなと思った。
ウクライナのロシアとの国境をこえた攻撃についてゼレンスキー大統領が事実を認めるコメント。
いろいろとこの攻撃に対する見立てはあるのだが、言われているのはこの地域を占領することで今ロシアに占領されているウクライナの地域の返還を目指す交渉材料にする、ということらしい。
この地域はもともとウクライナ領だったのがフルシチョフがクリミアをウクライナに移管した際にロシア領になった、という話があり、これは他の情報での裏付けが私も取れていないのだが、歴史的にウクライナとロシアの間でも、またさまざまな勢力の角逐の場所として記憶されている土地なので、ウクライナの民族的記憶の中にもある土地であることは間違いない。
ただ何人かの方が見ているようにおそらくはロシアによって占領されているウクライナ領を回復するための手段として占領したというのが一番整合性はあるだろうと思う。特にアメリカ大統領選が迫っていて、「戦争をやめさせる」と公言しているトランプが大統領に復帰した場合、その時点での支配地域が境界線になる可能性は高いから、少しでも有利に交渉を進めるということにおいてアメリカの承認を取り付けた可能性はあるのではないかと思う。
ウクライナでの戦いはある意味終盤に入ってきた感があるが、ガザの方はまだまだこれからということだろうか。ガザでは11日に学校が爆撃され、7月末にはイスラエルとの交渉を担うはずのハマスのハニヤ(元パレスチナ政府首相)がイランで暗殺された。イスラエルは交渉の意思がないことを示しているし、それに対しトルコではハニヤの死を悼んで大規模な集会が行われ、トルコ政府も喪に服すと発表。
結局はハマスをどう評価するかの問題なのだが、イスラエル側としては越境攻撃により多数が殺され人質を奪われたことを決して許さないだろうと思うし、トルコなどは人々の支持を背景にハマスを交渉相手として認めるべきだという立場。このギャップがそうそう埋まることはないだろうけど、中東和平の歴史というのはテロリストとして扱われてきたPLOファタハのアラファトをパレスチナの代表と認め、ノーベル平和賞まで与えたことから始まっているのだから、それとの整合性もどう取るのかという問題もある。一方でイスラエルによるガザへの攻撃も度を越しているので、道徳的な批判が高まっていることも事実だ。トルコが今後どのような動きをしていくかが、やはり今の鍵ではないかという気はする。
トルコはもともとパレスチナ地域の宗主国であり、第一次世界大戦の敗戦によって歴史的シリア(パレスチナ等も含む)を奪われ、そこに英仏の委任統治領が置かれて第二次大戦後諸国が独立したという歴史もあり、「オスマン帝国のシリア支配と現状とどちらがマシか」という問題意識もあるのではないかという気はする。その辺のところは機会があったら調べてみたいと思う。