平和なフェスへの攻撃で同情を集めたイスラエルのガザへの恐ろしい攻撃/「対世界用魔法少女つばめ」第2話を読んだ:いつメンとの会話の安定感

10月14日(土)晴れ

いろいろと動きが激しいのでなかなかものを書く感じにならなくて困るのだが、とりあえず書いてみる。

イスラエルのガザに対する侵攻が秒読み段階に入っていて、世界で注目されるようになっている中、当初はハマスの非人道的なテロに批判が集まっていたのが今ではイスラエルの侵攻姿勢を非難する声の方が大きくなっているという変化が起こっているのは、「情勢」がくるくる変わるパレスチナの現状だけでなく、ハマスが「世界怒りの日」としてイスラム世界全般に呼びかけたデモであるとか、イスラエル政府の好戦的・復讐的な言説が嫌がられているということもあるなあと思う。国によっては反ユダヤ主義的な動き、ある種のテロリズムも起こり始めているらしくて、それはそれでどうかと思うのだが、この憎しみの連鎖がそのまま爆発すればまた取り返しのつかないことになるだろうという感じはする。

今までもずっとパレスチナでは小競り合い的なミサイルの撃ち合いみたいなことはずっと続いていたわけだが、今回に限って強く大きく注目されるのは、ハマスの攻撃が今までになく大規模だったこと、それにイスラエルが即座に対応できなかったこと、ということもあるのだけど、ハマスの攻撃対象になったのがガザ境界近くでの音楽フェスで、多くの人が殺され捕虜にされたという衝撃でイスラエル支持が高まったということもあり、逆にそれだけ強くイスラエルの対処方法が注目されることになった、という池内恵さんの指摘がなるほどと思わされた。

「平和を訴える音楽フェスを攻撃したハマスは悪!」であったのが、「イスラエルは地上戦でガザの住民が何人死のうとハマスは滅ぼす」という姿勢に懸念を持つ方向に変わりつつあるということだろう。実際のところ、ハマスの攻撃により出たユダヤ人の犠牲者の100倍ほどの死者がその報復攻撃でガザ側で出るというのが今までの例で、そうなると1000人以上が犠牲となった今回の攻撃では10万人以上のガザの住民が殺されることになり、これはもはや虐殺という規模であることは間違い無いだろう。

アメリカはイスラエルの攻撃容認の姿勢だしその他の国がイスラエルを止める力は持っていないから怒ることは起こるだろうが、それがどのような実態のものになるかは今後のイスラエルとユダヤ人社会に対する評価に大きく関わってくることになるだろう。


「対世界用魔法少女つばめ」第2話がジャンププラスで配信された。

https://shonenjumpplus.com/episode/14079602755302984034

作者マポロ3号さんはジャンプ本誌で「PPPPPP」というピアノ漫画を連載されていたのだが、不思議な世界観と絵柄の漫画でピアノという割と真っ当なジャンルを描いていてそのギャップみたいなものが面白いと言えば面白かったのだけど、頑張って「ピアノの森」に近い作品にしようとしていたように感じたのだけどどうもピアノ以外の世界の方が浮かんできてしまっていて、どうも最後は作品の自殺みたいな感じのオチになっていて、大丈夫だろうかと思っていた。

しかし今回の作品は絵柄と扱われている題材が非常にマッチしているし、世界観のバランスの悪さが焦点の合わない登場人物たちの目の表情と相まって、不思議な刹那性と奥行きの深さを生み出している。何が起こってもおかしく無い世界の中で何が起こってもおかしく無いようなことが起こっているのが面白く、どんどん読んでしまう。閲覧数では土曜一位の「2.5次元の誘惑(リリサ)」には及ばないが、すでにコメント数では上回っている時間もあり、この作品の注目度の高さが窺える。

前回は不穏な感じが強く押し出されていたが、今回は「いつメン」の二人の会話がメインなので安定感があり、不穏さよりも心強さの方が前面に出て前回とのバランスもうまく取れたように思う。

前作からの熱狂的な一部のファンと、魔法少女もののファン、それに「純粋に今作が面白いから」読むようになったファンと、多くのファンを掴みつつある感じがある。期待したい。

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