戦後日本の「二重スパイ」とラストボロフ事件/「ふつうの軽音部」:レビュー記事も公式PVも素晴らしい/自己批判のできない立憲民主党と過剰に大鉈を振るった岸田自民党
9月4日(水)曇り
朝起きた時は5時で、もう新聞が来ていたのだが、まだ暗い。立秋から1ヶ月近く経ち、土曜日は白露、22日が秋分。太陽が出ている時間は4月初め頃と同じくらいか、と考えると朝がこれだけ遅いというのも納得できなくはないが、ついこないだまで5時だと明るかったことを考えると季節の巡りは早いと思うし、朝外で作業できる時間が減ってしまうなと思う。
起きてから少し草刈りをする。しばらく見ていなかったら蔓草がぼうぼうに生えて梅の木を覆い尽くしていた。全部はやりきれないので気になるところから少しずつ刈る。そのつもりでやらないとこういうのは危ないので、危なく無いところだけ少しやった。
少し以前から右足の膝が少し気になっていたのだが、咄嗟に動くと力が入らないことがある。斜面に作られた庭なので足腰がしっかりしていないと危ない。草を刈っていても右足が少し気になる感じがあって、気をつけないと危ないと思ったのだが、年長の人たちで時々脚立から落ちたとか転落したとかいう話があるのは、老眼で目が見えにくくなっているということもあるが脚がしっかりしなくなっていたということもあるんだろうなと思ったり。こういうのは自分の身になってみないとわからない。まあそれを理解できるように自分の体も変化していってるんだと、ポジティブに考えておいても良いのだが。
車を走らせてサンデーとマガジンを買いに行ったが、いつもは少し離れたセブンに行くのだけど、今日は近いところで買った。午前中から出かけるので少し時間を節約する。
日本共産党の志位議長の伯父の話がTwitterに出回っていて、これはWikipediaなどに載っていることなので特に個人情報というほどでも無いようだが、関東軍の将校をしていて少佐の時に終戦を迎え、シベリアに抑留されたとのこと。
彼が今Twitterに取り上げられたのはソ連のスパイをしていたからということのようだが、実は彼は抑留から帰国後はGHQの参謀第二部(G2)で情報部員的なことをやりながらソ連の諜報機関にも協力し、いわゆる二重スパイ的な活動をしていたという。リアル「SPYxFAMILY」である。
それが発覚したのはスターリン死去に伴うKGBの元締めであったベリヤの失脚により、その指揮下にあったラストボロフが粛清を恐れてアメリカに亡命したことで、アメリカで自らのスパイ活動を暴露した「ラストボロフ事件」がきっかけだった。志位は当局に自首したが、結局罪には問われなかったということのようだ。
その後彼は現INPEX(海外石油開発株式会社)の常務として対ソ交渉に辣腕を振るったが、1973年ソ連上空を飛行中の日本航空機の中で心臓疾患で死去したとのこと。全く劇的で、全体が映画にでもなりそうな人生だなと思った。
Twitterであえて志位議長の伯父を今取り上げることの意味はあまりよくわからないが、歴史の中で翻弄しつつもある種の選択をして生きていった人間として、興味深い人であるとは思った。
後で確認したのだが、この件は「月刊Hanada」でスクープとして取り上げられていたようだ。先に書いたように上のことは別に隠蔽もされていないのでスクープというほどでは無いと思うのだが、新しい事実があるのだろうか。まあ政治的な牽制だとは思うし、だいたい日本共産党の人たちは過去の歴史に不勉強な人が多い(Twitterを読んでいてもこの人たち何も知らんなと思うことがよくある)ので、ショックを受ける人たちもいるかとは思うが、スパイ査問事件や山村工作隊事件など、自分たちの党の負の歴史のようなものもしっかり学んだほうが党としてはしっかりするのでは無いかと思う。だいたい党幹部の親族の話など、党の歴史とそんなに関係があるわけでは無いのだが、抑留経験や帰国の際の経験、G2での勤務経験など戦後の裏側みたいなことも含めて、調べてみれば勉強にはなると思う。
あらゆる運動には自己批判が伴うが、最近の立憲民主党、フェミニストなどの左翼の活動、あるいはネトウヨも含めて、同じ勢力の中から行き過ぎた言動をする人たちに対する批判がほとんど出てこないという話。
それに比べると自民党はどんどん批判が出てくる、もっと言えば公に足の引っ張り合いにも見えるくらいのことをしているわけで、そこに自民党の強さがある、という話。統一教会問題に関しても安倍派の政治資金問題にしても岸田さんの大鉈のふるいぶりは過剰なほどだったし、それに比べれば立憲民主党の身内からは問題のある言動をする人たちに対する批判がほとんど出てこないのは、運動として大きく伸びる可能性はないのでは無いか、というような話である。
もともと自民党は思想的には「社会主義・共産主義ではない」ということだけを共通項とした多様な人たちの寄り合い所帯であり、党内で派閥を作って多数派工作を常にやってきたわけだが、それも必ずしも思想色が強いわけではなく、誰に世話になったとか人間的な魅力を感じたというような人間集団としての自然に即した感じでの集団行動になっているために、自分たちの生理的にも国民から見た物語的にも大変わかりやすいものになっているのだろうと思う。
イデオロギー色が強くなると批判のし過ぎはむしろ解体を招く、みたいな危機感が左翼方面では現在は強いような気はするが、暴走する人を止められないというのはむしろ集団としてのダイナミズムの弱まりではあるだろう。蓮舫氏にしても明らかにやり方としてまずかったところがあったから都知事選で3位に沈んだわけで、その辺りをちゃんと反省しようという動きがほとんど出てこないというのはやはり異常だと思うし、「健全な野党」が成り立たないのは日本国そのものにとってもあまり良く無いことなので、少しはしっかりしてもらいたいとは思う。
「ふつうの軽音部」、今日3巻が発売される(電子ではもう読める)が、それに関連していろいろな企画が動いているようで、ファンとしては大変嬉しい。多くは作画の出口さんがまとめてくださっているのでそれが参照できる。
すでに昨日の夜からDLできるようになったようだが、LINEのスタンプが使えるようになっていた。私はLINEでスタンプを購入したことはなかったのだが、今回は早速購入してみた。ふつうの内容もあるが、作中に出てきた「機熟」(機は熟した、の意味)や「寝耳に水」といった明らかに普通使わないだろうというスタンプもあり、かなり可笑しいのでぜひ積極的に使ってみたい。誰に使うかという問題はあるのだが。
an-anに原作担当のクワハリさんのインタビューが掲載されていて、これも少し読んだが面白かった。なるほどこういう考えで作られているのかというのはかなり参考になった。
またジャンプ+公式でPVが作られていて、これもかなりいい。ストーリーが適切にまとめられているし、よかったポイントを押さえている。みていて少し涙ぐんだ。こういうものを作れる人はすごいなと思う。
それから「Real Sound」に掲載されたレビュー記事。これもまとめ方が上手いなと思う。確かに作品冒頭から「10万円もするフェンダーのテレキャスターを、初心者ながらいきなり買うのもなかなかの度胸」なわけで、それをめぐる鳩野の自意識についてはそんなに掘り下げて考えていなかったけれども、その自意識と現実のギャップを少しずつ埋めていく初期の段階については、考察する側として私ももう少し掘り下げてみてもいいなと思わされた。なんとなくとんとん拍子に話が流れているような気がしてしまっていたが、よく考えてみるとギターを買ってから軽音部の新入生が最初に集められてバンドの組み方などを説明されるまで一度もギターに触っていないとか、まあ割とどうなの、みたいなところがあったりするわけである。
そこまでは主に自意識と欲望と勝手な夢と妙な全能感とが融合した感じで進んでいたが、実際にバンドを組んでみたらオタク男子の痛いノリに翻弄されたり、自分のダメさ加減を思い知らされたり、そこからようやく自意識だけでなく努力の要素が出てくるわけで、「妄想するオタクの思い切りの良さ」から少しずつ個性が出てくる、特にバンドの名前をネットミームで決めようとする男子たちに対して「ラ・チッタ・デッラ」という鳩野をロック付きにした父と言った場所(川崎のおしゃれな商業区域)を提案し採用されるところなど、「はとっちらしさ」が少しずつ出てくる、「成長していく」のが面白いなと思う。
今日は松本に整体に出かけ、銀行に行く用事などもあるので忙しいし、ジャンプコミックスで欲しいものがたくさんあるという忙しさもあるのだが、「ふつうの軽音部」3巻を読むことを楽しみにして、頑張っていきたいと思う。