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今年終わったマンガ作品:「センゴク権兵衛」「Dr.Stone」「風雲児たち」「BARレモンハート」それぞれの終わりかた

11月27日(日)晴れ

昨日は午前中に図書館に「頼山陽の思想」を返却に行き、帰りに書店でいろいろ見たのだが、思っていたものはなかったので買わなかった。少し思ったことがあり、具体的な日程を詰めて書きたいものを短くても良いから書いてみようという目標を一つ決めた。いろいろ考えてみるとそれ一つではなくて他にも目標を決めておいた方がいいなと思うのだが、少しは考えがまとまってきたということかなと思ったりはした。

仕事を終えて夜が遅くなってから弟夫婦が東京から来て少し話をしていたら話が弾んでしまい、寝るのが遅くなった。だいぶお茶を飲んだせいか結局4時間くらいの睡眠時間のうちに何度もトイレに行くことになって、どうも寝覚めがすっきりというわけにはいかない。今日は私が東京に帰るし特急の時間も決まっているからあまりゆっくりはしていられないのだが、昨日は少し持っているマンガのデータを更新し整理したりもしたので、今年終わったマンガについて少し書いてみたい。

私が読んでいる、特に単行本を購入しているマンガのうち今年終わった(連載が終了した)ものがすでにいくつかある。

一番長大な連載だったのが「センゴク」から始まる信長・秀吉配下の武将・大名として活躍し、島津氏との戦いで大敗して一度は改易されたものの小田原攻めで復帰した仙石秀久を扱った長期連載の最後のシリーズである「センゴク権兵衛」だろう。このシリーズだけで27巻、前の三つのシリーズを合わせれば72巻に及ぶ長大な連載で、2004年に始まっているので18年続いたということになる。

私は紹介していただいてこの作品を読み始めたのだが、最初の3シリーズはKindleで一気に読破して、確か10巻あたりからリアルタイムで買い始めたのではないかと思う。若い頃の描写はフィクション的なところも多かったが、後年は史料が残っているということもあるだろう、史料に基づいてそれをデフォルメしたという感じが多くなっている。特に若い(というか子供の)頃の徳川秀忠との交流が関ヶ原に間に合わず焦る秀忠を落ち着かせた描写まで続いているところが今印象に残っている。

次に長いのは「Dr.Stone」か。2017年に連載が始まりアニメ化もして「ジャンプのSF&科学マンガ」という特異な地位でヒットした。私は最初の数回で一度読むのをやめたのだが途中でやはり面白くなってもう一度Kindleでちゃんと読み始めた。単行本を買ったのも途中からだ。「鬼滅の刃」もそのパターンだったのでジャンプを買い続けることでなんとなくは読んでるから面白くなってくるとわかる、ということはあるなと思う。

https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098610105


原作の稲垣理一郎さんは現在池上遼一さんと組んでスペリオールで「トリリオンゲーム」を連載しているが、こちらもめちゃくちゃ面白い。

次に「破壊神マグちゃん」。これもある種「ドラえもん」的な、身近に珍しい力を持つ存在がやってきたというやや子供向け(低学年向け)の話なのだけど、こういうのはラストが泣かせるという定番に則ってやはり泣かせる話になった。破壊神だけあって「マグちゃん」は厨二病的なのだが、主人公の流々(るる)がとても現実的な性格で、軽々と共存していく展開が面白かった。

「24区の花子さん」。東京のどこかにある「24区」に弟を探しにいくことで、自分自身を探しにいくという話。SF/機械方向のファンタジー(これは名前があるのだろうか、スチームパンクみたいに名前があると良いのだが)の世界と女の子が好きという世界を合体させたような感じ。チャンピオンRED連載で「絢爛たるグランドセーヌ」を読んでいたために見つけた作品。

「チ。地球の回転について」。これはブームになったので簡単に。地動説をめぐり命がけで真理を追究する「科学者」たちの物語が胸熱だった。

「ワールドイズダンシング」。これは若き世阿弥が藝を追求し、能の基礎を築くまでの話なのだが、「はじめアルゴリズム」で数学の天才少年を描いた三原和人さんの作品で、もう少し先の藝に開眼して以降のことも描いて欲しい感じはあったが、開眼したところで終わり、という感じになっていた。

「アヤシモン」。これは「地獄楽」の賀来ゆうじさんの作品なのだが、あまり展開しないうちに終わりになってしまった。私は「地獄楽」の佐切がかなり好きなキャラクターなので、こういう人を主人公にした作品がまた読みたいなと思っている。

あとは昨年完結したのだけど先日それを知った「夜明けの図書館」。図書館の重要な業務にレファレンスがある、ということを教えてくれた作品。

あと、通常の連載終了と違うのが、作者の死去により未完となった二つの作品がある。

一つはみなもと太郎「風雲児たち 幕末編」。これは「日本の夜明け」を書くために関ヶ原から書き起こした長大な作品であった「風雲児たち」の続編として幕末を克明に描いていたのだが、薩摩や長州の浪人たちが外国人を付け狙うようになった時期で終わりになってしまった。「風雲児たち」では前野良沢と杉田玄白の「解体新書」の解読の苦労や林子平の話、またロシアに漂着して帰国した大黒屋光太夫の話など、安定していたと言われる江戸時代に風雲を巻き起こした人たちの話がとても魅力的で、連載開始は1979年だから43年にして未完ということになった。

もう一つは古谷三敏「BARレモンハート」。これはとてもお酒に詳しいBARレモンハートの主人が主人公だが、この作品を読んで知ったお酒の知識はとても多いし、それに関連して語られる映画の話や世間のよもやま話などもいろいろ面白かった。基本的に読み切り連載なのでどこで始まってどこで終わってもおかしくないのだが、もう新しいのは読めないのかと思うとやはり寂しい感じはする。連載開始は1985年。昭和から続いた2作品が終了したことは、否応なく時代は変わっていくのだなと改めて思わされる。

今情報を調べていて分かったのだが、BARレモンハートは最終37巻が年末に発売されるようだ。未完の原稿もアシスタントさんが完成させて収録され、今まで出てきた酒の総索引もつけられるとのこと。楽しみにしたい。

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今日は特急で東京に帰り、東京駅構内で丸の内弁当を買った後、丸善の丸の内本店で「頼山陽の思想」とウォーターマンのインクのボトル、ドットのA5のノートを買って帰宅した。

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kous37
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