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QAのキの字も知らない人間がQAを始めたら、1年でアジャイルコーチみたいなことをやっていた話①
但し書き
会社名やサービス名は伏せますが、おそらく結構な人が知っているであろう、とあるサービスでQA(Quality Assurance)を始めた、たたかいのきろくです
戦い始めてから1年以上が経過したので、自分の振り返りのために思い出しながらログ的に残します
QAの話だけどテストの話はあんまり出てきません。どっちかというとアジャイルやスクラムの話がメインです
一部脚色しているところもあります
勢いで書き始めましたが、書き始めたらだいぶ長くなりそうだな、と思ったので、複数回に分けます(だいたい12ヶ月分投稿予定です)
仕事の資料作成以外であまり物書きをしないので、乱筆雑文な点はご容赦ください
QAを始めるまで
きっかけ
2022年某月、当時担当していたプロジェクトが終わり、打ち上げの席で偉い人(仮称)に言われたことがきっかけだった。
偉い人「QA立ち上げるかオフショア立ち上げるかだったらどっちがいいですか?」
ぼく「(うーん、海外とのやり取りは面倒くさいなぁ、外国語も別に得意じゃないし・・・前職でもオフショアはやってたしなぁ・・・消去法で)QAがいいっす」
当時ぼくは某サービスのエンハンス開発を回していたが、お世辞にも真面目にやっていたとは言えず、たまに企画から来る無茶振りを受け流しながら、それなりに楽しく仕事をしていた。
ぼくの開発経験はムダに長い。15年くらいで3社を渡り歩いて、大体どこでもリードエンジニアやプロジェクトマネージャー的なことをやっていた。
自分でコードも書いていたが、今の会社では自分でコーディングする機会は少なくなっていた。他の人が書いたコードをレビューしたり、同僚の相談に乗ったり、企画との打ち合わせに出たり、ベンダーコントロールしたりすることがもっぱらの自分の仕事だ。
QAがいる開発現場で仕事したことはあったが、正直「テストやるひと」くらいの漠然としたイメージしかなかった。
そもそもテストがそんなに好きじゃない。
巷ではTDDやらBDDやらが謳われているが、うちのシステムはレガシーだ。1からテストコードなんか書けたもんじゃない。
モノリスのように積み上がった膨大なソースコードを、本番に出してみないとわからない恐怖に怯えながら恐る恐る改修してはリリースする毎日だ。
技術的負債は溜まる一方で、リビルドして精算してはまた負債を溜め込むを繰り返している。
QAチームはもちろん存在しない。エンジニアが作ったものを企画がざっと確認して、OKならリリースする。
スピード重視といえば聞こえはいいが、かなり危うい状況だった。
打ち上げの翌週、偉い人に呼ばれた。
偉い人「来月からベンダー入ってくるから、色々整理よろしくです」
ぼく「え、例の件(QA)すか?」
偉い人「例の件です」
ぼく「そうですか(え、あれ飲みの席の話じゃなかったの・・・?)」
そういやこの会社、っていうかこの人、そういうスピード感だった・・・
ぼく「ところでQAって何するんすか?」
偉い人「なにするんだろうね」
そういやこの会社、そういう(以下略
こうしてぼくのQAとしての戦いは始まった。
1ヶ月目
QAってなにすんの期
とりあえず何をおいても時間がない。1ヶ月後にはベンダーが入ってくることだけは決まっている。
正直この時ぼくは物凄くモチベーションが低かった。なんなら転職しようかとすら思っていた。
新しい組織を立ち上げる、それ自体は面白そうだと思った。
でも既にベンダー選定は終わっていて、入場/開始時期も既に決まっていた。
社内の他の部署でQAをやっているベンダーだ。どうせ彼らの営業でも掛かった結果、うちの部署にも入ってきたのだろう。いつものことだ。
(なんだ、もう会社が方針決めてんのか。じゃあハイハイ言いながら適当にやり過ごして、一段落ついたら転職しよう)
ちょうどこの頃、今の会社に入社してから5年が経過しており、(「仕事は5年でやめなさい」ではないが)自分の中でもちょうど一区切り、そんなタイミングだった。
今の仕事がマンネリ化していたのも事実だ。そして丁度良い事に以前からの知り合いから誘いも掛かっていた。
偉い人「来月からベンダーさん入ってくるから、受け入れられるように今月中に整理よろしくです」
ぼく「わかりました」
(最後のご奉公と思ってこれだけやるかなぁ。とりあえず1ヶ月で受け入れられる状態に、ね、把握。)
偉い人やらマネジメントラインやらを集めた。というか偉い人と1on1をやっていたので、そこに関係しそうな人が呼ばれていた。QAの方針でも聞かされるのだろうか。
ぼく「・・・で、結局QAって何すれば良いんです?」
偉い人「企画側がやろうとしてる計画知ってますよね?それに合わせて開発組織も今後更に大きくなると思うんですけど、今のままだと正直開発側が耐えきれないと思うんですよね」
ぼく「まぁ正直品質も良くないですしね」
偉い人「そう。なのでQAチームを立ち上げて、品質担保しながら企画が求めるスピード感に応えていかなきゃならないんです」
ぼく「なるほど。僕のイメージだとQAってエンジニアが作るものをテスト設計したり、最終受入テストして担保する人たちなイメージなんですが、そういうので合ってますか?」
某社の企画と開発とQAの三権分立の話は、いつぞやのJaSSTのセッションに参加して認識していたので、そのイメージをしていた。
偉い人「そうしてもいいし、そうしなくてもいいです。任せます。」
あれ?もしかして何も決まってないんじゃないかQA組織(仮)。
~つづきます~