FXトレードにおける同じポイントで複数回エントリーして大損してしまう心理とは?
みなさんこんにちは。
今回は資金を溶かしてしまうトレーダーに共通する同じポイントで複数回エントリーして結果大損するパターンの脳内心理について話してみたいと思います。
この記事を読んで頂いた暁には無駄に同じ箇所で複数回エントリーして大損しない意識が芽生えると思います。
最後まで読んでみてください。
トレーダーなら誰もが経験のある複数回エントリーによる自爆
みなさんも経験ありませんか?
俯瞰してみてみればこの先もチャンスは来ることはわかっているのにそのポイントに執着してしまって値動きに翻弄されてロングしたり、ショートしたりと大惨事。
エントリー方向を一つに決めても同じように値動きに翻弄されて心を揺さぶられまくる。
特にストップロスに引っかかって損切りできたのにも関わらず、またエントリーして結果損切り。
こうなると感情トレードが幕を開けます。
以下の画像をみてください。
トレーダーなら確実に経験のあるいくつかのパターンを図にしてみました。
※この画像ではロングを狙ったトレードと仮定します。
まず赤がロングエントリーを仕掛けるポイント、青が損切りポイントと設定したとしましょう。(損切りを決めずにエントリーするのは時間の問題で破産します)
①はエントリーから運良く上昇していくチャートです。これはトレーダーの理想でしょう。利確ポイントも設定していることでしょうから見守るだけですし、下がってきたら手仕舞いすればいいだけの話です。
②はエントリーポイントから更に下落し、マイナス収支が画面に表示されるところです。ここで損切りは仕方ないと冷静に見ることができ案の定損切りで終了できる人はいいでしょう。
一方で頼む!上に行ってくれ。と無意識に願望トレードになりやすい場所でもあります。こういう時に予め設定していた損切りポイントをずらし始める人が多い。
願望トレードは望みが叶うこともあれば叶わないこともあります。ただ一つ言えるのは自分でコントロール制御できない状態。車で言えばブレーキが効かず加速している状態ですから助かるか助からないかは神のみぞ知る領域。
これはその時助かってもいずれ破産します。
紫のラインのように損切りポイントをずらしたことで助かって上昇するケースも当然ありますが、再度下落してきた時に微益or建値で終了できるならまだしも、またマイナスになって損切りできない状態になると確実に破産に近づきます。
正確には損切りポイントをずらして助かっても、これまたルール外なので破産します。
③は②と似ていますが、損切りポイントをずらして我慢して上昇を願うパターン。特に②でしっかり損切りできたのにまた上昇がみえたから2回目のエントリーをする人もいます。
実はこのケースが経験者でも多い。1回目のエントリーでしっかり損切りはできたのにまた同じところで2回目エントリーして戻された日には理性が感情にスイッチします。
④は往復ビンタゾーンですね。ロングエントリーしたのに上にもいかず下にもいかず。心は揺さぶられ2回どころか3回、4回とエントリーしてしまう。
結果下落した時にはドテンだ!と追撃する人もいますが、個人的にはドテンはしないので採用はしません。そこでも真逆だったらどうしますか。という話です。
どのような心理メカニズムが脳内で起きているか?
一つ言えることは、エントリーをするということは思惑通りにチャートが動いてくれることを期待しているはず。
これが思惑とは反対の動きになった時には当然ながらマイナスになりますよね。
脳内では「正当化」が始まっている
・自分のエントリーポイントは正しいはずだ
・少し待てばプラスになってくれるだろう
・これだけの根拠あってのエントリーなのだから期待通り動くはずだ
・俺はメンタルが強いから仮に負けても凹まないと思っている(結果負ける)
要するに負けは認められないし認めたくもないのが人間です。
ビジネスやスポーツにおいて勝気は大切かもしれませんが、トレードは特殊。
例えばプロスポーツ選手であれば試合前から負ける可能性を考えて試合に臨む人は少ないのではないでしょうか。
ビジネスにおいても新規事業で成功するために用意周到にあらゆる情報やコネクションを活用して達成のための行動やイメージを描くと思います。
一方トレードは特殊で相場は予想できないし、展開通りになるかもしれないしならないかもしれない。
非常に不確実性の高い生き物。
唯一コントロールできるのは負けを認めることのみなので、負け上手は結果利益を手にすることくらいはみなさんも知っているのではないでしょうか。
環境認識にかけた時間によるサンクコスト効果
続いてもう一つサンクコスト効果があります。
これはすでに支払ったコストを取り戻そうとする心理効果です。
サンクコスト効果の影響を受けてしまうと、サンクコストに気が取られ、合理的な意思決定ができなくなります。
トレードで言えば環境認識からエントリーするまでに費やした時間が該当します。
スキャル、デイトレ、スイングなど人によって戦略は違うので時間軸は変わりますが、私の例で言えばデイトレなので環境認識からエントリーまで最低でも30分から1時間はかけます。
NY時間にエントリーすると決めた場合、東京時間、欧州時間の値動きを観察し優位性の高いポイントを割り出すにはあらゆる想定をするのでこれくらいはかかるイメージです。
それがエントリーしてものの5分で損切りした、された場合はサンクコスト効果発動により、かけてきた時間を取り戻すためプラスで終わりたい気持ちになるものです。
でも、冷静に考えて相場は時給の仕事ではないです。
これも皆さん頭で理解しているはずです。
でもやらかしてしまうのは理性が感情に切り替わるから合理的判断の欠如が生まれます。
結論エントリーは1回に絞る
まずこれらの問題を解決するには、エントリーを1回に絞るということです。
エントリーポイントと損切りポイントを予め算出して、そこでダメなら諦めてください。
どうせまたチャンスはきますから。
そんなことわかっているけど繰り返しやっちゃうんだよ。
そこをどうしたらクリアできるか知りたい。って声が聞こえてきそうですね笑
みなさんだったらどうやってこの癖を改善しますか?一度考えてみてください。
仕組みor習得のどちらかで解決
解決方法は2つあります。
仕組みや環境を用意する、自分自身で体得するに分かれます。
仕組みや環境に関しては皆さんご存知エントリー&損切り利確ラインを予め設け、エントリー後は一切チャートを見ないこと。
誰でも簡単に実行できるのが利点。懸念点としてはエントリー後のチャートが気になってソワソワすること。
最も短期的に改善できる仕組みではあるものの、エントリー中気になって結局いらんことをしてしまう方には向いていないです。
2つ目の習得に関しては、認知療法を用いたもので訓練は必要ですが、体得すると無駄に負けていた自分が嘘のように負けに対しする捉え方が変わります。
つまりプロトレーダーに共通する上手に負ける。を再現できるため結果的に資金は増えていきます。
ここはかなり専門的になるので、メンタルに問題があってクリアできない方は今制作中のトレーダーのための認知的行動療法を今後アップしようと思います。