「カキクケコがタ行に置き換わります!」

なぜカ行がタ行に?

構音に関して、親御さんからよく聞く訴えのひとつです。
「カ」と言う時、舌のどこを動かしますか?鏡を見て「あーか」と言ってみると、とてもわかりやすいと思います。舌の奥の方が上がり、口の天井の奥に接触しているのが見えると思います。
では、なぜ言えないのか。それは単純です。この舌の奥を上げる動きをまだ習得していないからです。
大抵の場合、カ行がタ行に置き換わります。カ行が言えない子にとって、タ行の方が容易に出せ、尚且つ似ている音なので、そちらに置き換えているのです。お喋りし始めた幼い子が、言えない音を他の似ている音に置き換える、とても賢いですよね。

どうすれば良い?

では、どうしたら良いでしょうか。早く治す必要があるのではないかと焦ってしまいますよね。でも必ずしもそんなことはありません。なぜなら、発達と共に自然に習得する可能性が十分あるからです。しかし、いつまで経っても改善しないという場合もありますね。その場合は発達に問題がなければ、専門家に相談の上、適宜トレーニングを開始するのが良いでしょう。

注意してほしいこと

過去にこんなお子さんが何人かいました。親やトレーニングに当たった人が、無理に治そうとしたのか、舌の奥ではなく、そのさらに奥の喉に近いあたりで構音する習慣がついてしまったのです。それは、自然な「カ」ではなく、喉のあたりに異常に力の入った「カ」、もしくは「ア」に近い音に聞こえます。これでは、発達途上の一時的な誤りのはずが、立派な構音障がいとなってしまいます。
異常な構音の習慣を除去するのは、お互いに容易ではありません。
周囲の大人の関わり方によっては、このように予期せぬ事態を招きかねませんので、素人が自己判断でトレーニングに似た行為をすることは避けた方が良いでしょう。
また、よく聞く「カだよ、カって言ってごらん!」これはいけませんね。なぜなら、その子はまだ「カ」という構音を経験したことがないかもしれないのです。自分が「カ」と正しく言えないことすら知らない可能性もあります。急に言いなさいと言われても、本人は困惑しますね。
では、周囲の大人はどうしたら良いか。まずは、本人の構音をそのまま受け入れ、無理に治そうとしないことです。そして知識や経験のある専門家に相談するのが最善策だと思います。
個人的には、相談はいつ行っても問題ないと考えます。専門家に相談することで、適切な対応がわかりますし、焦りや不安が軽くなるかもしれないからです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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