スリングの選び方/climbing

今日はスリングの素材について考えてみよう。
スリングにはいろんな素材が使われているが、それぞれ一長一短あるので今一度おさらいしてみたい。

☆ナイロン66 (脂肪族ポリアミド)融点 255度
88年前、初めて石油から作られた合成繊維、しなやかで伸縮性に富み、衝撃吸収力が高いためクライミングロープ(ダイナミックロープ)はほぼナイロン66で作られている。欠点は水を含みやすい。
紫外線に弱く長時間の直射日光にさらされると劣化する可能性があるため、適切な保管が必要である。
最近ではセルフビレイとして使われていたランヤードも伸縮性のあるナイロンロープを使ったものが増えてきました。

☆ポリエステル
ポリエステルは耐熱性と耐UV性があり、屋外の使用に適している。ほとんど伸びがないためスタテイックロープに使われている。融点255度

☆ダイニーマ(超高分子量ポリエチレン)
高強度で細くしなやか、水分を全く含まないため現在のクライミング用スリングの主流である。しかし融点が140度と低く結び目の強度低下があるため、取り扱いには注意が必要である。

☆アラミド繊維(芳香族ポリアミド)融点400度
アラミド繊維には構造の違いで「パラ系アラミド繊維」と「メタ系アラミド繊維」の2種類あります。同じアラミド繊維でもパラ系とメタ系で全く異なる特性を持っています。
・パラ系アラミド繊維(ケブラーなど)強靱で、耐摩耗性・潤滑性・耐薬品性・耐油性に優れる。モンベルが販売しているテクノーラは帝人が開発したパラ系アラミド繊維である。
・メタ系アラミド繊維(ノーメックスなど)
パラ系アラミド繊維が強度に優れているのに対して、メタ系アラミド繊維の優れている部分は耐熱性と難燃性です。

☆ハイブリッド
化学繊維にはそれぞれ長所・短所があり全ての条件を満たす繊維はない。最近では内芯に強度のあるダイニーマやアラミドを外被にしなやかなナイロンやポリエステルを使いそれぞれの繊維の特徴を補ったハイブリッドの製品も
出てきた。これからは少し高価だけどこういったハイブリッド製品が主流となっていくだろう。

下記はエーデルリッド、エーデルワイス、ブルーアイスなどの製品をご紹介

エーデルリッドのアラミドコード、支点構築などと書いてあるが固くてあまり向いていない。
強度は高くて22KN、30cmのみシースの編み込みピッチを変更し、フリクションヒッチでの使用を前提に他のサイズよりも柔軟性を持たせた設計となっている。
エーデルワイスのアラミドコード、現在クワッドアンカーの製作には一番使われている。
アラミド67%ポリアミド33%、強度15KN、23g/m

アラミドコードは他にカンプ、マムート、ベア―ルからも販売されている。

同じくエーデルリッドのスリング、ダイニーマを内芯、外側をナイロンで覆っている。
しなやかで扱いやすい。240cっもあるので、クァッドアンカーも作れる。未テスト~
アイスブルーの斬新なコード(アルパインランナー)とてもしなやかで扱いやすい。UHMWPE(ダイニーマ)を内芯、外被は(HTPE)ポリエステル

UHMWPE(ダイニーマ)の内芯と、それを保護するHTPEシートの二重構造。耐摩耗性と耐紫外線性を備えたランナー。
クイックドローおよびアンカースリングとしての使用に最適。 その設計は、スリングで作るアルパインドローと比較して、その持ち運び性と使いやすさを大幅に向上させる。
2008年創設の新しいメーカー、アイスブルーhttps://kenkosya.com/lp/blueice/

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