クワッドアンカーの考察

日本にクワッドアンカーが紹介されてからもう8年程になり、それなりに普及してきたように思う。
現在クワッドアンカーの完成品(ソウンアンカー)として市販してるものはブラックダイヤモンド1社だけで、メーカーのHPを見てもソールドアウト、日本の輸入代理店は取り扱っていないので、手に入らない。
だから興味がある人は切り売りのコードで自作するしかない。

Sewn Anchor System
https://www.blackdiamondequipment.com/en_US/product/sewn-anchor-system/

普通は240㎝ぐらいのアラミドコードをダブルにして自作するのだが、入手できなかったのか最近ダイニーマで構成されたクワッドアンカーを時々見かける。しかしダイニーマは融点の低さと結び目による強度低下が大きいので、短いコード(120㎝ぐらい)&オーバーハンドノットで作っている人もいてとても危うく見える。
ここでクワッドアンカーの作り方を検証する前にクライミングロープやスリングに使われている素材を今一度おさらいしてみたい。
別項参照 (スリングの選び方/climbing)https://note.com/kounoproclimb/n/n3906960e7bae

左上からQD、ケブラーコード(アラミド)を使った流動分散、ダイニーマ2本で作ったクワッドアンカー、アルパインランナー2本で作成したクワッドアンカー

スリングにはいろんな素材が使われているが、一長一短あるのでこれからはハイブリッド素材が主流になっていくと思われる。ハイブリッド素材はまだまだ高価だけど、僕は切り売りのスリングでアンカーをつくるのがあまり好きではないのでしなやかなアルパインランナー(90cm+110cm)を2本使ってクワッドアンカーを作ってみた。これが今一番考えられる最適解ではある。

最後にちょっとやばいアンカーの例(ご笑覧ください)

左上は角度が開きすぎている。右上はADT(アメリカンデストライアングル)
左下はクワッドアンカーですが、スリングの長さが短かったため、シングル+オーバーハンドノットで構成されていて、結び目の強度低下が大きく全体の強度が4分の一ぐらいになっている可能性があります。
右下は論外(これがわからない人はヤバいです。)

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