2009年5月2日の、夜。
2日後の14時間特番の準備は大詰めだった。終電の時間も近いから、ラーメンをサクッと食って帰るかと思った矢先、携帯に速報が流れた…「忌野清志郎さん死去」。
準備室の窓側に座る総合演出に「そこのラジオ、つけて!TFM、桑田さん、つけてください」。土曜日の夜11時は当時もいまも、桑田佳祐さんの生番組をやっている。もう終電なんか気にしていられないし、まだ信じられなかった。だから泊まりのニュースデスク席に走った。「あのー、忌野清志郎が…本当ですか?」。世界中の最新ニュースが集まる場所に行って本当ですかもないが、とにかく訊きに行った。
桑田さんの番組のエンディング、桑田さんは「なんで俺がこれを読まなきゃいけないんだ…」と言ってから、淡々と報道から来たと思しき原稿を読んで、番組を終えた。
僕が終電に間に合ったかどうかは覚えていない。ただ、局を出て、僕より4歳上の総合演出は歩きながら言った。「コタロー、これから俺たちさぁ、子どもの頃から見てきた人がいなくなるのをいっぱい見聞きするんだよなぁ…」と。
13年経った。
2009年5月2日、土曜日の夜。その準備室だったあたりは数年後に、生放送のスタジオに改装された。
全く偶然だけど、明日の朝。そこでその人と生放送をやる。
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