「バッコスの信女 白石さん」 あこがれの早稲田小劇場へ河野 早稲田小劇場の舞台を観たい、生の声を聴きたいと一心に思ったので、とうとう劇団に電話して、稽古を見せてもらえませんかと頼みました。「劇団の主催者に話しておきます」と返事して下さって、後日、何月何日から稽古が始まりますからどうぞ、という連絡をいただいたんです。それが豊川さんという男性の方で、主催者というのが有名な演出家の鈴木忠志先生でした。 ーー東京へ行くのは初めてだったんですか? 河野 いえ、立体裁断の夏期講座へ
聞く人 企画編集ハヌマン 三浦キミ(本名三浦祥子) 人間国宝に質問する―小さいときから絵が好きだったのですか? 河野 いえ、嫌いでした。ほんとに嫌い。(笑) ―ふうん。写生が面白くなかったのでしょうか? 河野 いえ、写生とかでなくて学校のお勉強ぜんたいに興味がなかったんです。興味があるのは食べ物とか、遊びでしたから、勉強なんかしないで遊びまわっているだけの子どもだったんです。文字を書き写すとか、何かを覚えるとか、絵を描くとかいうお勉強は少しも面白くなかったんです。 ―あ〜